2006-05-17 [長年日記]
■SFによく出てくる入力方式
ペイチェックを見た。
↑これは近日発売の廉価版
↑old商品で一番安いのがこれ
P.K.ディック作品が原作ということだけど、これは SF映画ではなくてアクション映画。
ジョン・ウーの高速度撮影もキッチリ決まっていて楽しめた。
が、SF じゃない。SF っぽいガジェットが出てくるのにもったいない様な気もするが、興行用の映画として成立するためには SF じゃ駄目なのか。
それはさておき。
劇中で、空中に浮かんで見えるブロックの様なものを主人公が手で操作する場面がでてくる。
未来っぽい雰囲気を出すガジェットであり、それ自身には意味は無い。
が、UI としてそれはどうなの?
1.空中に浮かぶアイコン(何かを象徴する物体)を手でこねくり回す
子供が遊ぶブロックを思い浮かべてみよう。
さしあたって、その全面が接続可能なブロックだとしても、一体どれほどの自由度があるだろうか?
あるいはプログラミングを1ワードごとにフローチャートで書いたらどれほどの大きさになるだろうか?
高度にオブジェクト化されたユーティリティ(というのはより下位のレベルでのプログラマが他にいるということか)がある、という前提でしか現実味が無い。
ペイチェックの主人公の様に、デバイス開発の最先端をいく人間の使うものではない気がする。
2.口述筆記
ブラックマジック M-66 [DVD](士郎正宗) の主人公シーベル(主人公は M-66 ではないかという議論はさておいて)が使っていた。
まぁ、実際には日本語ではないと思うのだけど(今、DVDを見直す気はない)、これ句読点や強調(日本語なら傍点、英語なら斜体)とか、どうするんだろう?
3.思考
これは大変。これを書いている最中でも書いている文以外のあれこれが表層思考に入ってくるし、かな漢字まじりで考えているわけでもない。
口述筆記もそうだけど、読みだけ入力しておいて、後から漢字変換する? それは大変。
html の様な、ある程度のリッチコンテンツだとまた話はややこしいかも。
赤いポストとか思ったときに、"赤い"文字をイメージしたら、その語が部分が赤で装飾されちゃうんだろうか?
もひとつ、映画の話。
オープニングをもう一度見たいがために、ミミックを観た。
オープニングの詳細はこちら。
原作は短編小説だけど、基本的な――というよりも根本的なアイデアのみ拝借して作られた映画。
いやもうB級映画のテイスト満載。
なんでよりにもよって「ユダの血統」なんて名前をつけるかなぁ、とか。観たのは吹替えのビデオなので――DVD がレンタルされてないのよ〜――原語でなんと言っているのか確認できないのが惜しい。
「ユダの血統」がなぜあそこまで進化したのか? について、
「世代交代の間隔が短くなっているのよ!」
「時間で考えちゃ駄目。世代数で考えるのよ!」
とか言っているけど説得力なし。卵のコロニーがいっぱい並んでたりするあたり、とてもわずか3年であそこまで進化したとは思えん。それとも、あそこまで進化したところで世代交代の間隔が長くなったのだろうか? ふむ。それの方がまだありうるか。
あと「人間並みに大きくなった昆虫」そのものが説得力がないのはいかんともしがたい。ま、これは原作小説も同じだけど、そういう意味では原作はSFではなくて、社会的ホラーと読んだ方がいいのかも。
蚤は体長の約200倍(とか約1000倍とか言われるが)の距離をひと跳びできる。イコール「すごい!」という話にはならない。前にも書いた覚えがあるがまぁいいや。
人間をそのままの構造で1/8にスケールダウンする。
体重はスケールの3乗に比例するので、1/512。
じゃあ筋力は?
筋肉の断面積に比例するので、つまりはスケールの2乗に比例する。1/64。
ということは見かけ上、8倍の筋力アップ!
垂直跳びで身長の 1/4 をジャンプできた人は、身長の2倍もジャンプできるようになる!
すごい!
という話にはならないでしょ?
生物のスケールが小さくなればなるほど体長に対しての運動能力は上がる。生物のスケールが大きくなればなるほど体長に対しての運動能力は下がる(象がジャンプすることを想像してみよう)。
これは、とても当たり前の話。
■Winny のネットワークが生き残る理由
高木さんの話とはあまり関係はないのだけど。
WinnyのCacheフォルダ内のファイルは、利用者にとって「公衆送信している」という自覚を持たないようにWinnyが作られているため、
高木浩光@自宅の日記 - アンチウイルスベンダーがWinnyのCacheフォルダ内のウイルスを駆除しない理由
これが最大のポイントで、ダウンロードのために Winnyネットワークに参加している人(マシン,ノード)が、同時に送信する側に回っているからだよなぁ。
■政府機関のソフトウェア自身はオープンソース、ないしはフリーソフトウェアでないと認めない
という判断。
ご存知ですか?フランスの政府が新しい法案を 1999/12/7 に出したんですけれども、政府機関のソフトウェア自身はオープンソース、ないしはフリーソフトウェアでないと認めない。これはどういうことかと言うと、査察可能っていうことですよね。つまり最後まで調べられる。で、「じゅん」を使っているフランスの友人なんですけれども、彼が「日本の科学技術庁のページも侵入されたみたいだけど、オープンソースを採用するように流れてる?」とか。「ちがうちがう、話は全然逆。」とか言って(笑)。
OOエンジニアの輪! 〜 第3回 青木淳さんの巻 〜
を読むと、納得できる。
■blog is not equal to himself, but...
他人の成りすましをどう対処したらいいか?ばかり考えていたけど、はじめからIDとPASSを渡してしまったときに、そのエントリが本人が書いたのか他人が書いたのかという証明まで考えないといけないことになっていくのだろうか。エントリを保存する際に、生体認証するとか。
ナンセンス不定記 - ブログ進化論
元記事の内容からはちょっと離れて。
「自分のblogのエントリが過去に遡って改竄されている」可能性を考えてゾッとした。
なにせワイドショー番組で事件関係者の mixi 上の日記が全国的に放映されるような世の中である。しかも、多分ナレーション付きで(スポーツジムのモニタに mixi の画面が出てきたのでつい目がいった次第。なので音声を聞いていない。私はワイドショー番組を見る趣味はない)。
そういうナレーションってやつがまた、視聴者を巧みに誘導するのだ。
知らないうちに blogの半年前とかのエントリに殺人衝動とかを匂わすような文が、そっと挿入されていたとしたら?
怖い。怖すぎる。
■Q.E.D. C.M.B.
面白かった。
何分間か、何かを書こうと思ってみたのだけど、読後の興奮でどうにも書けないので、これでお終い。
追記
Q.E.D.の最後のページ"誰も"に振ってある傍点が気になる。
メタ的に読者を指しているのか、それとも犯人自身を指しているのか?(後者の場合は、自己欺瞞を示唆している、という解釈になる)
読者に対するメタ的な言葉は「災厄の男の災厄」で使っているので前者でも違和感はないのだけど。さて?
■アンパンマンの顔を作れる人は?
兄:「でも、アンパンマンに勝つ方法もあるんだ。教えてやろうか」
檜山正幸のキマイラ飼育記 - 子供に気付かれたくない事だが現実に目をそらすのもナンだし
そうでもないと思う。
- アンパンマンの顔を作れる人はジャムおじさんやバタコさん以外にもいる。例えばロールパンナちゃんもアンパンマンの顔を作ったことがある。
- アンパンマン号は内部に垂直上方向に伸びるカタパルト*1と、強力かつコンパクトなロケットエンジンを積んでいて、いざとなったら宇宙空間に出ることができる。少なくとも第1宇宙速度は突破できるんだろう。軌道上に、試験的に打ち上げたアンパンマン号が1機ぐらいあってもおかしくない。もちろんアンパンマン号にはアンパンマンの顔を焼くためのパン焼き窯が搭載されていることは言うまでもない。というかその辺のパン窯でいいし。
- アンパンマンの顔はアンパンでなくてもOK。アンパイマン,ホットケーキアンパンマン,アンドーナツマン,あんまんマン,はるまきアンパンマン etc... そのヴァリエーションは豊富。
ということで、本当に新しいアンパンマンの顔を(代用品によるヴァリエーションも含めて)作れない状態にするためには、パン様の、粉と水を合わせて練って焼成する食品を作る者を全滅させるとか、あんの原材料の小豆を絶滅させるとか、そのぐらいの規模の作戦行動が必要。
"ポイントはそこじゃない"とは知りつつも。
追記
引用する行を間違えてたので修正。
ついでに書き加えておくと。
- 「アンパンマンに勝つ方法」について反駁する。
- なぜアンパンマンに勝てないか? それはアンパンマンの周りにいる皆がアンパンマンを失いたくない、と思っているからだ、という方向に話を持っていく。
というのはどうだろうか?
■アンパンマンの顔を作れる人は? 続き
かと思いきや、アンパンマンの顔の原材料には"ゆうきのはなのエキス"が不可欠で、それがないと「元気3倍」にしかならない(つまり戦力比1/33ということか?)。しかもこの花の繁殖範囲は極めて狭く、それさえ根絶やしにしてしまえばいいような気もする。
でも、代用品の顔を付けた時に、"ゆうきのはなのエキス"がちゃんと入っているのかどうか、疑問である。
*1 イメージとしてはスペースシャトルの発射台を思い出していただきたい。あれはロケットエンジン点火時点では離れてしまうわけで決してカタパルトではないのだが、アンパンマン号のそれはアンパンマン号の底部と接したまま射出となる。案外、あれは実はリニアカタパルトで、ロケットエンジンとの併用式だったりして。