過去の日記

2006-04-27 [長年日記]

「面白い」と「面白かった」 [etc]

似ているが全然別な概念である。
少なくとも私はこれを使いわける。厳密には「面白い」にも2種類ある。
やっぱり映画を引き合いにだすのがちょうどいいか。
「面白い映画」というのは、少なくとも2回以上は観て、映像・脚本・演出について俯瞰で論じることができるようになって初めてできる評価。
「映画を観て面白かった」というのは、"映画を観ている間楽しめた"という評価。
――ややこしいのは、ちゃんと評価ができない状態で、メタコンテンツを観て「面白そうだ」というステートの時。この時にも「面白い」と使うことがありうる。「○○なあたりが面白い」とかつい書いてしまうことがある。気をつけよう。


前にも引用したことがあるけど。
押井守の映画「トーキングヘッド」から。

押井守シネマ・トリロジー 初期実写作品集 [DVD]

  • 監督: 押井守
  • 出演: 千葉繁,鷲尾真知子,田中秀幸,玄田哲章,兵藤まこ
  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
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  • 発売: 2003-02-25
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語られた映画とは実は常に映画の記憶のことでしかない
指し示すことはおろか引用すら出来ず
語ろうとする時には呈示することも不可能で
しかも他者との共時的体験すらない個的な経験
それが映画を観るという行為の実相だ
人は自分が観たものを言葉で表すことは出来ない
観るということと観たことを言葉で表すということの間には
結局は何の関係もないんだから
映画を観ること
観たこと
観た映画について語ること
そして映画を観ることについて語ること
これらの行為の間にはいかなる共通項も存在しないし
複数の人間の間に於いてはもちろん
同一の個人にとっても一本の映画が同じ体験として我々の前に立ち現われることは
テキストとしてのフィルムが単一の存在であるという幻想を前提としてしか……ありえない

なるほど [book]

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

  • 作者: 梅田 望夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売: 2006-02-07
  • ASIN: 4480062858
  • メディア: 新書
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結局、素人のロングテールに読んでもらうことを目指して書いてあるようだから、

ウェブ進化論 - わんこ日記 (2006-04-17)

半分ぐらいまでは読んだものの放っておいたのだけど、なるほど読んでいてどうもパッとしないなぁ、と感じたのはターゲット層とずれていたせいか。
自分が時代の最先端に追いついているとはお世辞でも思えないが、この本をあまり面白くないと思うぐらいの位置にはいるらしいぞ、と。


追記とトラックバック
エントリを書いた時点でトラックバックしなかったのには理由があった。
わんこさんが書かれた「素人のロングテール」の意味を図りかねていたからだ。
だって「Web進化論」の主なターゲット層は、ロングテールの側じゃなくて恐竜の"体"の側だ。本屋に行けば平積みされている本が"しっぽ"の側のはずがない。でも、これは単なる間違いとして指摘していいものかというと"そうではない"と、私の直感が引き留めていた。なので、その点は保留にして筆を置いた。
で、ここからはつらつらと考えていた結果。
これは"こちら側"と"あちら側"の対照性ではないか?
「Web進化論」で"あちら側"というフレーズが繰り返し使われる。モチーフといっていもいいかもしれない。
活字で出版された「Web進化論」から見るとネットワークは"あちら側"になる。ところが「『Web進化論』についてのネット上で記述」――つまり、「わんこ日記さんのエントリ」や「このエントリ」――からみるとネットワークは"こちら側"になってしまい、「『Web進化論』が流通しているところ」が"あちら側"になってしまうわけだ(以下もその様に読んでいただきたい)。
"あちら側"では「Web進化論」は、恐竜の胴体、もしかしたら頭部になる。しっぽは、まぁあらためていうことも無いだろうけど、全国の出版物の流通にはほとんどのぼらない書名も知られずに消えていく数多の出版物たちだ。
あるいは、読者という点から語ると、「『Web進化論』を一種の啓蒙書として読んでいる人達」が恐竜の胴体や頭部を「買い支えて」いるということになる。
では、「『Web進化論』を一種の啓蒙書として読んでいる人達」は"こちら側"では竜の胴体や頭部*1を「読み支えて」いる人たちになるか?
否。
と、ここまできて、わんこさんが、

素人のロングテール

と呼んだ理由に追いついたかな? と思った。

ゲーム [movie][comic]

ゲーム [DVD]

  • 監督: デビッド・フィンチャー
  • 出演: マイケル・ダグラス,ショーン・ペン
  • 出版社/メーカー: 東宝
  • ASIN: B00005HRP2
  • 発売: 2000-12-21
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なんか、今ひとつ。
夢オチならば道中どんな理不尽な展開であってもいいが、夢オチで無いならば様々なことに整合性をつけないといけない。
いや、そんなことはないか。面白さのために整合性を無視してもいいという局面はある。
でもパズラーやコンゲームでそれを許すと、作品の存在意義そのものが揺らぐことになるだろう。


ホラーっぽい短調でスローなオドロオドロしい曲と、ロックな曲を伴奏させた場面には感心した。


こういう作品を見ると「スパイラル」の歩君ってすごいよな、と思う。

リアルな事実 [etc]

という表現を見かけて、同義反復だ〜、と笑ってしまった(mixiなので引用はしない)。
でも後になって、違うか? と思い直した。
リアルな虚構。
フィクショナルな事実……いや、事実なフィクション?
ふむ。"ありそう"な表現だ。


あるいは、リアルという言葉をネットの対義語として捉えるとかもありか?
とか。

何を書き込むのだろう? [hatena]

とか書いてみたり。

掲示板への自動書き込みソフトでよいのがあったら教えてください。無料のがあったらそれが一番ですが…
よろしくお願いします。

人力検索はてな - 掲示板への自動書き込みソフトでよいのがあったら教えてください。

*1 というのは例えば「梅田さんのコラムやブログ」を思い浮かべてほしい。