2006-04-10 [長年日記]
■無限大の過大評価 再び
あぁ、今ごろになってROYGBさんが、「テトラちゃんとハーモニックナンバー」を読んでどう認識したのか、その思考がトレースできた(間違っていたらごめんなさい)。
p7で調和級数に対して \(S_{n}~=~\sum_{k=1}^{n}~\frac{1}{k}\)
という記法\(S_{n}\)
を定義した。もちろんこのnが取り得る値は自然数の範囲ということになる。
p14 で \(S_{n}\)
のうち、\(n~=~2^{m}\)
となる部分和だけを取り出して、その性質を考察した。
p15 で一般化して、
\(~S_{2^{m}}~\geq~1~+~\frac{m}{2}\)
とした。これは何かというと、
\(~S_{n}\) において、 \(n~=~2^{m}\) を満たす様な n と m について、\(~S_{n}~\geq~1~+~\frac{m}{2}\) を満たす
となるわけだ。
ところが、ROYGBさんは \(~S_{2^{m}}\)
という表記だけをみて勘違いしたわけだ。
これは、\(S_{a}\) という表記を、「自然数のべき集合」に対応する様に拡大するものだ
と。
ここから混乱を防ぐのに、\(S'\)
を、ROYGBさんが解釈したであろう意味で使うことにして書き直してみよう。
ROYGBさんは \(~S_{2^{m}}\)
という表記を見て、
\(~S'_{\phi}~=~?\)
\(~S'_{\{1\}}~=~S_{1}\)
\(~S'_{\{1,2\}}~=~S_{1}~+~S_{2}\)
:
:
\(~S'_{\{1,2,3,~...\}}~=~S_{1}~+~S_{2}~+~S_{3}~+~...\)
となるような \(S'_{a}\)
を頭に浮かべてしまったのではないだろうか?
ということ。
もちろん、「テトラちゃんとハーモニックナンバー」ではこの様な \(S'\)
が出てくる余地は無い。
その様な \(S'\)
を想像して、ROYGBさんのエントリを読んでみると……なんとなく言いたいことは伝わってくる。
\(S'_{a}\)
について考察してみよう。
\(S'_{a}\)
の a が取り得る値は「自然数のべき集合」の範囲だ。
「自然数のべき集合」の中には有限集合の元もあれば、無限集合の元も存在する。
a が「有限集合の元」の時のみ、\(S'_{a}\)
は値を持つ。
a が「無限集合の元」の時、\(S'_{a}\)
は値を持たず発散する。「僕」の言葉を借りれば「数として扱わない」ってことだ。
\(S'\)
は間違いなく、連続無限集合と1対1対応して考えるべき「もの*1」だ。
だけど\(S'_{a}\)
で、aを「無限集合の元」に限定すればそれは可算無限集合で、\(S'\)
も可算無限集合と1対1対応して考えることができる「もの」になる。
こんなところでどうでしょう?
■オイラーの定数
p34 にでてくる
文中で「僕」が研究してた《ずれ》
なんですけど、今なんとなく、
を読んでいたら出てきました。
p250
しかし,この数の正体はほとんど分かっておらず,無理数であろう,と予想されてはいるものの,それさえ未だ定かではない。
だそうで。
■入学式
子供の小学校の入学式だった。
子供達はみんなちゃんとおとなしく座っていて立派なのに対して、父兄席は(一斉に)ビデオカメラを持ち出したりひそひそ話をしたりで騒がしいこと。
……うーむ。
*1 適切な用語が思い浮かばない。