2005-11-29 パラケルススの娘2, S.A.C. 2nd gig 07 08, 神田神保町オフィシャル [長年日記]
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下のエントリは着地点を全然決めないまま書き始めて「子供を迎えに行く時間だ」ってところで止める予定だった。故に、"無題"。
■無題
先日の「ハガレンって言い方、違和感あるねぇ」「だって俺たちは略して言わないじゃん。『鋼の錬金術師』ってキッチリ言っているからだろ」という夫婦のやりとり(20051124.html#p09からつらつらと考えていたのだけど、つまりはこういう言葉はあるコミュニティで通じる隠語の一種なわけだ。
秘密通信と暗号はほとんど同義として使われるが、秘密通信の方が若干広い意味を持つ言葉だ。例えばあぶりだしの類とか隠語なども、秘密通信の一部として扱ってよいものだ。
のp20。
かつて北洋のカニ漁船は、「ソ連監視船が臨検に来た」というのを、「サッポロ一番出前だ」という隠語で通信していたといわれる。
あるいは、相手を確認するための合い言葉なども秘密通信の一部だ。
今日見たばっかりの
17話 18話 天使の詩(TRANS PARENT)でも、義体を換装できて容姿を自由に変えられる世界で、合い言葉という(場違いなぐらいに)古くさい秘密通信が印象的に使われていた。
秘密通信はコミュニティを規定する手段として使われる。
"ハガレン"の様な短縮語は、一種の隠語で"鋼の錬金術師"について語る時の合い言葉の様に振る舞う、と見てもいいのだろう。
私とカミさんの間でしか話しをしない様な場合、"鋼の錬金術師"から呼称が変化していく過程や理由が存在しなかった。
なんてことはオタク論の中でさんざん論じられてきたことだろうが、このような言葉の機能を逆手に取ったのが「Pattern Language=パターン言語」だろう。
プログラミングパターンが突出して語られることが多いし、私が知るのもプログラミングパターンぐらいなので、その範囲でしか語れない所はちょっと心許ないが。
「コミュニティに属するかどうかを定める手段」として隠語(=普段は表れない特定の言葉の並び)を規定するのではなくて、逆に、隠語を明に規定することでコミュニティ内である概念を語ることができる様な状態にする。例えば「Singleton Pattern」という言葉を以て「系に常に1つのインスタンスだけがある状態」という概念を示す。それが「Pattern Language」の第1の機能なのだろうな。
最近はてなRSS(私のメインのRSSリーダ)の中でWeb2.0という文字がたくさん出てくるけどそれらの記事に全然目を通していない。
なんとなく"コミュニティに属するかどうかを定める手段としての隠語"の臭いを嗅ぎ取ってしまう。
げんしけんの同人誌(6巻の特装版に付いていたやつ)を読んだ時に、カミさんと2人で「ツンデレ」って何? という状態に陥った。その言葉を知らないと判らないネタではあったけど、げんしけんは読める。「ツンデレ」ってやつはメタコンテンツに属している用語だから*1。
Web2.0って何? って考えなくても、いずれそれと知らずに使えるんじゃないかな?
どうなのかな?
おそらくはWeb2.0という言葉を語るコミュニティに足を踏み入れることはないのだろうな、と、あるいは足を踏み入れる時はWeb2.0という言葉の魔力が消え去ったあとなのだろうな、と思いながら、フェイドアウト。
■神田神保町オフィシャルサイト
オンラインの古本屋で、かなり充実しているところはありませんか?
http://www.hatena.ne.jp/1133070272
神田神保町オフィシャルサイト
BOOK TOWN じんぼう
オンラインで本が買えるわけではないので回答ではなくてトラックバックで。
■パラケルススの娘 2 追加
昨日は読み終えた衝動で書きなぐってしまった。
p95
召喚状に名前が書かれている以上、喚ばれるままに出頭するだけだ
の文が良い。
「召喚」は神秘学(オカルト)の分野で朝松健氏が訳語として日本語に導入した。
この文の「召喚」は本来の意味、議会,裁判所への召喚の方。
細かいなぁ。
「魔術と魔法って、同じじゃないんですか?」
という遼太郎の質問。
を思い出した。
p109
ディズレーリって誰?
女王は二つの国民を治めている
の言葉からすると漫画「エマ」のあのテーマだよなぁ。
家に帰ってから調べてみる。
*1 とはいっても、げんしけんはある意味、メタコンテンツをコンテンツ化しているようなものだから本編で使われるとつらいのだけどね