2005-11-14 本屋巡り [長年日記]
■だんだん頭が公理的集合論に追いついてきた
ある集合をべき集合と考えて、元の集合を求めることは出来ないのでしょうか。
http://www.hatena.ne.jp/1130932358
人間には(あるいは、既知宇宙の中では?)無限集合を列挙することはできません。
無限集合を説明するには、集合論の公理から導き出される公理系を利用して記述することしかできません。
ある集合が別の集合のべき集合になっている、という命題は公理系の中で、
- 証明できる
- 否定が証明できる
- 証明不能であることが証明できる
- いずれも証明できない(未知の命題である)
のどれかに属することになります。
そもそも、「ある集合が何かのべき集合であるか?」と「もとの集合が何か?」は――感覚的には――同じ命題になってしまうのでは? と思います。
追記
つまり「ある集合」が無限集合である場合には、「その集合について言及する」ためには我々は公理から出発した公理系によって言及された言葉*1を以てするしかない。「『ある集合』が別の集合のべき集合になっているかどうか?」という命題は、「ある集合」を表現する言葉を紐解いていくことで判定する類の問題に落としこまれるだろう、ということ。
*1 余談ではあるが、ゲーデルは"公理系によって言及された言葉"が算術的に表現できる"コード"であることを示して、不完全性定理への足がかりとしたわけだ