2006-03-29 [長年日記]
■ジャーゴン 秘密通信 通過儀式
2ちゃん語を使わないとか
理由垂れてたサイトだかブログは
そんな事言っていること自体がまた他の痛みである訳で
昼サイブログ2.0 - 2ちゃん語を使わないとか
どんな理由が書いてあったのか判らないのでどういう"傷み"なのかも判らないけど。
2ちゃん語と俗に呼ばれるようなもの――つまりジャーゴン(jargon)の機能は、秘密通信であり、また通過儀式《イニシエイション》の一部なのだな。
秘密通信というのは"トラトラトラ!"とか"Xday"あたりと同じ。あらかじめ意味を共有していないと通じない、という効果を持つもの。
あるいは、
「ドリップは終わったか?」
「ああ。だがフィルターが汚れてしまった。新しいのを用意してくれ」
なんて感じのもそうだ。
もっともネットではあらかじめ取り決められた秘密通信文なんてのはなくて、自然に醸成されるものだ。
それを称して「文化」と書いたりする人もいるようだが……。
通過儀式というのは、なんだこりゃ? となる最初に読む時の障壁を超えられるか? という話。それが読める様にするか? しないか? という選択を迫られる。読む! と決めたら努力をしないといけない。
通過儀式というのは秘密結社で使われる言葉だけど。ちなみに秘密結社というのはショッカーに想像するようなものとは違って、存在自体は公になっているものが多い(フリーメーソン*1とかね。)。"秘密"なのは、結社に入るための条件や、その結社に属しているかどうかを確認するための符牒とかの方。
昔で言うと「やおい」とか、最近で言うと「ツンデレ」とかいうジャーゴンも、オタク*2であるかを確認するための符牒なんだよね。
実際ツンデレってげんしけんで最初見たときに全然判らなかったし。
あ、つまり「2ちゃん語を使わないという理由垂れていたサイト」に見られる「痛み」ってのは、扱っている内容から想像できる"書き手"像と一致しない、っていう、そういうことなのかな?
……なんかつまんない話になっちゃったな。
おしまい。
追記
前にも書いたんだっけっか。書いていてつまらないのも道理。
追記の2
時間を遡ってパソコン通信時代には、通信量を1バイトでも減らしたいという涙ぐましい理由により、ジャーゴンが形成されていった、というのもあったんだなぁ。
追記の3
これはクイズ。
昔会社の先輩宛で香港から来たメールに、
BTW, ……
という書き出しの文があってこれはなんだ? と悩んだそうだ。後になってクイズとして私も見せられたけど、正解に気がつくまでに数分かかった。
■referer
"プロメテウスコンプレックス"や"フランケンシュタインコンプレックス"で検索してくる人がちらほら。
なんの影響だろうか。
そのエントリはこちら↓。だけど、私自身は何も書いてないぞ〜。