過去の日記

2005-09-08 サーバー様そろそろまとめ [長年日記]

サーバー様そろそろまとめ 北九州市の奇妙な規約に関する考察 [etc]

サーバー様から始まった無断リンクに関する自分の興味もそろそろまとめにしてしまおうと思った。


その前に……、

prima materia diary - サーバー様

で言及した、「無断リンク禁止/直リンク禁止」命令に関する想定問答集のサイトに、さらに突っ込んだ内容の考察が挙げられていた。

誤解の理解-何故リンクが自由なのか

力作であり、読み応えがある。


今回話題にしたいのは、以下の記事でも書いた北九州市教育委員会で定められた妙な運用規定である。

prima materia - diary : 北九州市の奇妙な運用規定

曰く、

校長の承諾なくリンクを設定することができない旨を明記するものとする。

というものだ。これがどれほどナンセンスかは後で書くとして、この運用が機能しているのか検証してみた。


北九州市の中学校で、トップページに本当に「校長の承諾なくリンクを設定することができない旨を明記」してあり、かつ連絡先のメールアドレスが記述してある学校に対して、リンクの許可を欲しい旨メールを出した。
トップページにメールアドレスが無くて電話番号しか書いてないところは無視した。わざわざ遠距離電話をすることはあるまい。余談ながらその学校は、「北九州市教育委員会が定めたインターネット運用規定」の「電子メールのアドレスを明記すること」の条項に違反している!
そのメールは先週金曜深夜に出した。しかしながら、未だに返答は1つたりとも来ていない。可不可の連絡はおろか、「検討中である」という様な連絡すらないというのが、この運用の実情である*1


さて、なぜ北九州市にはこんな運用規定があるのか? 他の教育委員会,自治体に同様の事例があるのか? という疑問が浮かぶ。
後者についてはなんともいえないが、少なくとも私が小一時間ほどgoogleを頼って探してみたが見つからなかった、とだけ書いておく。
前者についてはその検索をしている内に思いついた仮説がある。
まずはgoogleのこの検索結果を見ていただきたい。

google 検索

たかだか78件ほどのヒット件数ではあるが、

  • 学校のホームページに対する他からのリンクは、教育目的のものは原則として自由とする。
  • ページの複製等については、校長の同意を得ることをホームページ上に明記する。

の2点を挙げている自治体・学校があるということだ。
この主張はまぁ妥当に感じた。(ただ、文章がまるでコピーしたかの様に似通っているのは何故なのか? という疑問も浮かぶわけだが……)
で、上記2つをツギハギすると「学校のホームページに対する他からのリンクは」「校長の同意を得ることをホームページ上に明記する。」になってしまう。
北九州市の運用規定はこんな感じでできてしまったのではないだろうか? などと邪推してしまう。


最後に、北九州市教育委員会のサイトがあるので見ていただきたい。2006/4/22 追記 市のサイトは改変されているのでリンクを消した。が、以下のページはそのまま残っている。
この中の、

http://search.schoolkitaq.jp/link_JHSch.php

から中学校の一覧を見ることができる。


この中で、「校長の承諾なくリンクを設定することができない旨を明記」してあってメールアドレスが書かれていないのは、

  • 千代中学校
  • 板櫃中学校
  • 思永中学校

の3校。


「校長の承諾なくリンクを設定することができない旨を明記」してあってメールを出したもののメールアドレスの不備でメールが帰ってきたのが、

  • 志徳中学校
  • 曽根中学校

の2校。


他に「校長の承諾なくリンクを設定することができない旨を明記」してあったのが、

  • 東郷中学校
  • 松ヶ江中学校
  • 足立中学校
  • 篠崎中学校
  • 菅生中学校
  • 横代中学校
  • 高須中学校
  • 若松中学校
  • 大蔵中学校
  • 花尾中学校
  • 黒崎中学校
  • 中原中学校

の12校。


ということで、「校長の承諾なくリンクを設定することができない旨を明記」するという北九州市の運用規定が、このようにナンセンスなものであることを示したところで筆を置く。このエントリの中で、私は「校長の承諾なくリンクを設定」している箇所は1つも無いのだから……。

追記:こちらもご覧あれ。

prima materia diary - なんか北九州市教育委員会の検索から飛んでくるのが多いと思ったら

*1 まぁ、リンクを許可しないということで連絡を返さない、という考え方もあろうがそれではリンクしたい側が困ってしまう。