2006-10-23 [長年日記]
■児童向けのインターネット関連の本
ホームページを作る時の注意点とか、著作権についてどう書かれているか、図書館で見てきた。
まず、これはまずい、と思った例から。
p33 のコラム「注意事項・禁止事項」から
見に来た人への注意事項などはトップページの下部や専用ページに記載しておきましょう。
・リンクについての例
「このホームページをリンクする際は、お手数ですが、メールでご連絡下さい。」
・著作権についての例
(略)
とある。
このコラムをちゃんと読むと、一番上の文が主題で下の方はただの文例である、と考えられる。注意書きはトップぺージか専用ページに書きなさい、というのは裏を言うと、全部のページに書いたり分散して書いたりするのはやめなさい、ということ。
しかし、その文と例文が一緒のコラムにあって、しかも例文の方が目立ってしまう様なデザインになっている。
そうすると、このコラムをこういう意味に捉えてしまう人は多いだろう。
リンクや著作権についての注意書きを、トップぺージか専用ページに書きましょう
これはデザインを含めてみるとまずいなぁ、と思った例。
同じ本のp148、「ホームページを宣伝しよう」のところ。
相互リンクをはる
相互リンクをするには、おたがいに許可を得る必要がありますから、メールなどで確認しましょう。
「必要があります」という断定形。
同じ本のp23。
自分のホームページによそのページをリンクさせたいときには、相手の管理者に許可をもらうとよいでしょう。ただし「リンクフリーです」、「ご自由にリンクしてください」などと書いてあれば、許可をとる必要はありません。
「もらうとよいでしょう」の表現があいまい。そして根拠がない。
著作権について、「他人が書いた者を勝手に使ってはいけません」とだけ教えて、「引用の場合は許される」ことを書いていない本。
ただし父母向けのページのみで、子ども向けのページにはない
これに対して「こう書くべきだな」と思えた本。
p36。
○文章を引用するときは引用していることをはっきりさせる。
>文章を引用するときには引用元をはっきりと書きましょう。たとえば、書いた人、出版した会社(あるいは、インターネットのURL)、日時などをはっきり書いておくのです。そして、引用した文章を自分の書いた記事と区別しておきましょう。その際、相手ではなく自分の書いた文章が「主」な役割をはたすことが必要です。
また、
○壁紙やBGMの場合は原則的には作成者などの許可が必要です。
と続く。
著作権に関する本。
Q&A形式の本だ。
p38。
読書感想文に本の内容を書き写してもいいの?
このように書き写すことがどうしも必要な場合は、いくつかの点について注意すれば引用文の著作者の許可をもらわないで行うことができます。
とあって、なるほどこれは当たり前だ、と思った。「引用」=「悪いこと」がもし本当なら、読書感想文を書くときに元の文を引用できないことになってしまう。でも実際はそうではなくて、条件がそろっていれば「引用」してもいいんだ、と教えるには読書感想文を例にだすのもいいかも。
続いて同じシリーズの本。
p10。
ホームページにリンクをはるのに許可はいるの?
ホームページにリンクをはることについては、著作権法では何も規定はありません。
いろいろなホームページを見てみますと、「リンクをはるには当方の許諾が必要です」などの注意書きを目にしますが、これは単にホームページの作者が要求しているだけで、法律的に許諾を得る義務があるわけではありません。
しかし、ホームページの作者が許諾を取るよう求めている以上、それを無視することは失礼です。
これはリンクの話であって引用の話じゃない。リンクについてはこれでいいと思う。「お願い」を無視する人はいるだろうが、その「お願い」が義務を発生させるわけではないことをおさえておけばいい。
最後に。前にも取り上げたことがある本だけど、トリを飾っていただく。ただしこの本、著作権に関しての「引用」につて書いてないのが残念だ。
p14
またウェブページに「リンクお断り」と書くのも意味のないことです。見られたくない、見られてはまずいものは、インターネットに公開しないようにしましょう。
小中学生向けの本にこう書いてありますよ、ということで……。
■のだめカンタービレ
素直に楽しく見られるドラマだなぁ。
子どもたちがげらげら笑っていた。それだけでも十分価値がある……かも。