2006-10-10 [長年日記]
■ロボット工学三原則「人間」の定義
収録作。草上仁『サージャリ・マシン』。
医療の現場に導入されている「ロボット」、サージャリ・マシン。
脳外科手術のサポートをするロボット。それができるのは過去の作業の模倣だけではない。推論エンジン。これまでにやったことがない作業でも、推論し、実行することができる。
推論エンジンのアップデートを控えている。その事実を知っている。それは、「彼」にとって、自己の消失を意味する。「死」。
彼は人間を殺すことができない。人間の指示に従わなければならない。それは自己の保全よりも優先される。
ロボット工学三原則。
テレビでニュースが流れる。
『これにより、三つの条件を満たせば、家族の同意がなくても、脳死判定ができることになります』
臓器移植法案の改正。それはすでにサージャリ・マシンの推論エンジンに登録されている。
『患者』と『臓器移植を待つだけの死体』。
否。
『人間』と『臓器移植を待つだけの死体』。
他ならぬ『人間』にそれを線引きできるのか?
それはロボットに教えるべき『人間』の定義。
その線引きができないとすれば:「ロボット工学三原則」はただの空想で終わるのか?
などと考えつつ……。
http://d.hatena.ne.jp/ROYGB/20061009
http://d.hatena.ne.jp/ROYGB/20060926
『サージャリ・マシン』は異形コレクションの中でも屈指の名作だと思ってます。
■結城さんのPerl本
Perl本!
やっぱりホームグラウンドに帰ってきた、って感じがするものでしょうか?
大学時代に同級生が「Perl 絶対おすすめ!」と言っていたのを聞き流してしまった私が馬鹿でした……。あの時 Perl に触れていたらと思うと……。
ですね。