2007-03-30 [長年日記]
■Dihydrogen Monoxide
『ジハイドロジェン・モノオキサイド』という物質があり
http://q.hatena.ne.jp/1175180286
あぁっ!
このネタではてなアンケートを採るというのは思いつかなかった!
「これはやられた」と思った。
ただし、「知っている人は手を出さない」というバイアスがかかるので(例えば、私は回答していない)、アンケートの結果だけを取りあげて「言葉の上っ面で簡単に騙されるよね」という結論を導き出すのは良くないだろう。
このネタはDHMOで検索するといい。
Wikipedia の説明は始めにネタバレしてるのでつまらないんだよなぁ
ところで、
人間が大量に摂取すると中毒を引き起こし死に至る。
とあるけど、これは正しい。
最近ニュースになった。
米紙ロサンゼルス・タイムズによると、郡検死官が死因と断定した「水中毒」は、過剰な水分摂取により血中のナトリウムが薄まることで起こる。脳が膨張し頭蓋骨(ずがいこつ)を圧迫、発作を引き起こし、時には死に至る。
子供のためにWiiを… 母、水飲み大会で「水中毒死」|米国|国際|Sankei WEB
■統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?
- 「平均」に秘められた謎
- 通説を疑う
- 経済効果を疑う
- もう統計に騙されない――統計のクセ、バイアスを理解する――
- 公式統計に表れない地下経済
の5章から成る。
1〜3章で本の半分ぐらい。4章で全体の30%弱。残りが5章。
一般教養的な「軽い読み物」として読んでいられるのは3章まで。
4章では、どの統計にどんなクセがあるか? が詳細に語られている。
ここは本当に統計に日常的に関わっていて「統計を読む」というスキルが求められている人でないと、しっかりと読むモチベーションは出てこないのではないか?
1章と2章は、簡単に言ってしまえば「痛快」さを読み手に与えるために書かれたのではないか? と思ってしまう。
統計に関しての知識など無くても、読んでいて面白いということだ。
ここでは、入り口は広く、を意識したのだろう。
3章後半から4章は先に書いたとおり、いくつもの既存の統計を丹念に見ており、テンポよく読むにはつらい。
けれどオビにあるように「統計センスを身につける」には避けては通れない難解さだとは思う。
5章は「公式統計に表れない」ものがテーマだから、既存の統計の具体的な数値からは離れて読み物に戻ってくる。
実質よりも上にバイアスがかかる統計、下にバイアスがかかる統計、といったクセがあることを教えてくれる。
それ以外にも、実際の動きよりも遅れて結果に反映される統計や、実際の動きよりも先に(!)結果に反映される統計があることが興味深い。
「実際の動きよりも先に結果に反映される」と聞くとそんなことがあるのか? と思うかもしれないが、(統計ではないものの)身近なところにそんな性質を持つものがある。
株式市場だ。
株価は将来を先取りして変化することが経験的に知られている(「株の先見性」と呼ばれるらしい)。
これは考えてみると、案外に当たり前のことだ。常に業績につられて株価が変化するならば、株で損をする人がいなくなってしまう。何せ、これから株価がどう動くかが業績から推測できてしまうのだから。
現実はそうではないわけで、つまり株価は実際の業績などよりも先に動く指標だと言える。
詭弁めいた話の展開になってしまったが、統計には、上下にバイアスがかかるもの、時間に対して前後にバイアスがかかるものがあること。
どのような統計がどのような性質を持つのか。
統計の母集団は何なのか。どのようにしてデータが集められているのか*1。
統計を「読む」にあたって、そのあたりを頭の片隅に置いておくことはよいことだろう。
そのあたりを一冊で知ろう、という向きであれば読んで損はない。
ただ、3章まで楽しめればいいや、と思う人も少なくないと思う……。
「株の先見性」については、
を参照した。
■String.class で Classクラスのインスタンスを指す様になったのはいつから?
Javaで「String.class」という構文でクラスオブジェクトを取得できるようになったのはバージョンいくらからですか?
http://q.hatena.ne.jp/1175215756
あ、回答できないや。ハッキリと判らなかったからいいけどね。
The Java Language Specification, Second Edition
http://java.sun.com/docs/books/jls/second_edition/html/syntax.doc.html
では見つけられたんだけどな。
IdentifierSuffix: [ ( ] BracketsOpt . class | Expression ]) Arguments . ( class | this | super Arguments | new InnerCreator )
First Edition では見つけられなかった……。
なんで First Edition に文法定義をまとめて書いてあるセクションが無いんだろうか? 見落としているだけ?
■判りやすくてかつ正しい404ページを作れないある理由
ロリポップにはこんなページ
があって、これを設定すると見事404ステータスが返ってこなくなる。(それどころか.htaccessを上書きをしてくれるし)
こういうサーバレンタル業者とか、どの程度あるんだろう……。
違います。そのURIにアクセスした時に、Status 404がきちんと返ってくることです。
404 Blog Not Found:誤った404エラーページをつくるただ1つの方法
誤った404エラーページをつくるただ1つの方法、それはStatus 404を返さないことなのです。
ところが、未だにエラーなのにStatus 200を返すURIがあふれています。
……って、すでにコメント入っているし。
*1 このへんが5章のテーマ。