2007-08-31 [長年日記]
■薪ストーブ
書影はBK1で見られる
http://www.bk1.jp/product/02914761
で書いた話題が本になっている。
■正しいことをすればうまくいくというわけではない
隣で(まぁ、右隣ということにしておこう)誰かが困っている。
設計の工程なのに、前工程の成果物が曖昧で手が止まっている。
同じような内容だが細部が違う資料がいくつかあるくせに、どれがどのように意志決定されたのか判らない。どの資料がいつ誰の手でアップデートされたのか判らない。あてにならない。
それでは困る。
進めない。
という話をしたら誰かがこういった。
複数のお客を相手にしているんだから――つまり特定のお客様のシステムを作っているのではなくて、パッケージ商品を作るのにいくつかのお客様からヒアリングをしているということだ――その時その時で入ってくる要求事項がぶれても仕方がない。
だからいくつかある資料をまとめてそれで合意をとるしかないんだって。
「困る」って言ってたって始まらない。それでやれ。
とね。
おいおい。
それが「前工程でやること」じゃないか。それができていないから困るって言ってるんだ。
まぁ、そうこういっていても仕方がない。
確かにその通りで、進むためにはそうするしかない。
……というのは一見正しい様だが、正しいように見えるからこそこれまで皆失敗してきたのだ。なぜそれに気がつかない?
今までの資料を作ってきた人は、皆それぞれがそう思ったのだよ。
「今までの資料が駄目だといっても仕方がない。自分でかき集めて全項目を網羅した資料を作って、それを元に議論をするしかないな」と、そう思ってやってきた結果なんだよ。
だから「同じような内容だが細部が違う資料」がたくさんあるんだ。
それは実は、「細部に同じ内容があるが、全体をみるとバラバラな資料」がたくさんあるよりも遙かに危険な状況なんだよ。
それだけ多くの人が時間をドブに捨ててきた証拠だというのにね。
さらに悪いことに……。
反対側に座っている(つまり左隣だ)誰かが、またそれと同じ様な資料を今作っている。
前工程が終わってはいないのに終わっていることになっている、という状況が生み出す悪夢だ。
次の工程に進もうとする"右隣の人"が困惑している最中に、"左隣の人"が前工程をやり直しているというわけだから……。
■知恵蔵休刊? 今年版を買って「知恵蔵読み」にチャレンジしようと思っていたのに……
速読の課題として、
で紹介されていた「知恵蔵読み」、つまり通読するっていうのをやろうと思っていたのになぁ。
なんて間の悪い。
現代用語の基礎知識はでるんだな。