2007-08-16 [長年日記]
■ホラー映画ベスト10殺人事件
スプラッター映画な小説。
しかし、各章サブタイトルになっている作品を一つも見たことがない、というのはどういうこと? > 自分
悪魔のいけにえ、スキャナーズ、2000人の狂人、悪魔のはらわた、ハロウィン、地獄のモーテル、である。
2000人の狂人と地獄のモーテルはともかく、他の作品を一つも見ていない。
挙げたタイトルから判る通り――いやいや、タイトルで判る人はそもそもフツーの人じゃないんじゃないかというツッコミもあろうが――ホラー映画、とりわけスプラッター映画への偏愛に満ちた作品であり、その界隈の業界暴露本的な作品でもある。
スプラッター的描写は、「この程度なら別にどうということはないな」などと思ってしまうのはすっかり異形コレクションの影響か。
でも最近バイオハザード4 Wii edition をプレイしていてショッカーな演出は全然駄目! 苦手! と自覚してしまう。
つまり自分はホラー映画を高く評価している*1くせに恐がりで見られないという、火が怖い消防士みたいな、「ありえない」存在なのだ。
さて。
よく考えてみると「○○殺人事件」と名が付いた作品で、本当に「殺人事件」だけを書いたものって……ないよなぁ。
現実は「事件」なるものはメインではなく、その過程で生じた何らかの不思議/不可解な"何か"、"ミステリィ"、"謎"の方がメインなんだ。
でもこの本は違う。
別に謎があるわけでもなく、読んでいる側が騙される謎――要は叙述トリックがあるわけでもない。
業界暴露的な面はあるけど、本当に、「殺人事件」が起きました、狙われる人がでてきて、殺されて、犯人がでてきて、犯人が捕まって……。
終わり。
おいおいこれで終わりかよ!
などと思いつつ最後の1行でつい笑ってしまうという。
何を書いているのか判らなくなってきた。
それぐらい妙な小説だった。
*1 ホラーとコメディを特に高く評価するのはそれ――怖がらせる、笑わせる――がすごく難しいからなのだ。