過去の日記

2006-11-18 [長年日記]

1=0.9999…… 近況 [etc]

勉強を続けていれば「同じもの」への認識・捉え方も変わってくるという、そんな話。


1=0.9999…… が不思議な感じを我々に与えるのは、10進数で数を表そうとする時に有限桁で表現できない有理数が必ずあることに起因している。そんな「不思議なこと」であって、証明できる類のものではないんじゃないか、とそんなこと書いてきた。


(n+1)進数表記で1/nという数は必ず、0.1111……という循環小数になる。これにnをかけると0.nnnn……となる。つまり10進数に限らずどんな基数をとっても*1付いてまわるのだ。ただそれも、基数を1つ変えてやるだけで不思議がなくなる。例えば、10進数なら 1/9=0.1111……、それに9をかけると0.9999…… となるのだけど、9進数なら 1/9=0.1、それに9をかけると1.0、はい何の不思議もない。
というような話をずっと書いてきていて、そのインデクスはこちら。

summary.html#1equal0dot9999


さて、最近はどう思っているかというと。
0.9999……は本当に「数」なのか?
何の検討もなく暗黙に「数」だと認めていいのか?
という感じ。


0.9999…… は、何か定義を与えてやって初めて数たりえるのではないかと。
それに都合がよいのが「無限数列の和」(=「数列の和の極限」=「無限級数」)で、そのように定義すると1になるのは当然。だって1になるように「無限数列の和」は定義されているのだもの。
一応書いておくけど、「無限数列の和」は定義であって定理じゃない。そこを勘違いしてはいけない。「定理じゃない」というのは、つまり「証明できるものじゃない」という意味だ。無限数列の和を持ってきて、それで1=0.9999……が証明できました! というのは間違い。
以下余談。学校で普通に習うのはコーシーによる定義なのだけど、実はそれ以外にも無限数列の和の定義はある。それぞれで収束条件が異なったりする。使い途の広さからコーシーの定義が主に使われている、ということなのだ。


最近この辺りを色々と考えていたのは、「p進数」なるものを知ったからということもある。
実数は有理数を完備化して構成されたもののだけど、実はそれ以外にも道がある、という話だ。
それがp進数*2
面白いことにp進数では「数字が左に無限に続く数」なんてのがでてくる。ちょうど実数で、0.9999……と右に数字が無限に続くのと――形は正反対ながらも――似たような感じだ。
10進の世界では、\(x^2+x+18=0\) に、……627744656299971933409202632873031 と左に無限に続く解がある*3
実数は「全順序性」*4という性質を残している。代わりに「素因数分解の一意性」を失った*5
p進数は「素因数分解の一意性」を残した代わりに「全順序性」を失った。
……らしい。


そんな「実数とは別の世界」を覗きこんでしまったのだ。まだ理解には及ばないいのだけど。
ただ、そこでは無限数列の和の極限の収束条件だってかわっちゃうのだ。
そんな世界もあるんだ、ということを知ってわくわくしている今日このごろ。


追記
p進数でのgoogleの検索結果はここが上位にくるみたい。
p進数への足がかりとしては、

20080121.html

で書いた記事の方がよい。"p進数がどんなものなのか全然知らない人"はこちらへ。
ある程度知っていてもっと詳しく知りたい人向けの記事はないです。あしからず。

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のテーマである。
ただ、オリジナルじゃない? スコアを元にして演奏しなおした感じがする。


The Prisoner (Theme) - Cathodic Orchestra Selected Hits Vol. 5

個人的にはこれが一番オリジナルに近いような気が……。
アルバム収録曲は X-Files, V, Twin Peaks, Twilight Zone, Muppet Show, Invaders などなど。(先頭の"The"は適宜略)


The Prisoner - The Ultimate TV Themes Collection: Thrillers

なぜかこれだけ2分強の録音と長い。なんで? 残っているスコアじゃなくて、長めにアレンジしたのか。
アルバム収録曲は、Twin Peaks, X Files, Miss Maple, Danger Ma, Doctor Who, Quincy, L.A. Law など。


The Prisoner - Greatest Science Fiction Hits, Vol. 3


The Prisoner - Secret Agent File

この2つは同じ録音かなぁ……。
上のアルバム、収録曲は Land of the Giants, Space:1999, Year II, The Thing(物体Xね), Blade Runner, Lost in Space I & II,, Capricon I (渋い!), Raides of the Lost Ark, E.T., The Invaders, U.F.O., Star Trek, Flash Gordon, Return of thr Jedi などなど。
下のアルバム、収録曲は Octopussy, I Spy, Ace of Spies, Casino Royal, Thunderball, The James Bond Theme, Moonrakerm The Spy Who Came in from the Cold, 007, Goldfinger などなど。
ジャケット写真格好いい。


先頭のアルバムから、アーティスト検索してでてくるアルバムは選曲がすごい。
Vol.4には Six Million Dollar Man, Return of the Living Dead(バタリアンね), Remington Steele など。
Vol.3には Poltergeist, Moby Dick, Mission: Impossible, Miami Vice, Mac Guyer など。
Vol.2には Creepshow, Derrik, Highlander(!), Halloween, ER など。
Vol.1には Columbo, Charlie's Angels, Batman, Alfred Hitchcock Presents など。
試聴しているだけで楽しい。

Cathodic Orchestra Selected Hits Vol. 4 - Cathodic Orchestra

Cathodic Orchestra Selected Hits (Vol. 3, Original) - Cathodic Orchestra

Cathodic Orchestra Selected Hits Vol. 2 - Cathodic Orchestra

Cathodic Orchestra Selected Hits (Vol. 1, Original) - Cathodic Orchestra


追記 vol5.もあった
Cathodic Orchestra Selected Hits Vol. 5 - Cathodic Orchestra

*1 ただし2以上の整数。

*2 ちなみにpは素数を指す。紛らわしい名称だが、日常的に使っている「10進数」とか「16進数」とは全く違うものだ。

*3 雑誌「数学セミナー」2006年9月号からの引用。

*4 というより「数の大小」の方が判りやすいだろう。

*5 よく判らないと思うが、私もまだちゃんと理解できてない。悪しからず。整数には「5の倍数」というような素数によるグループを考えることができる。それと同質な概念を有理数も持っている。しかし実数にはない。と思っておけばいいかと。