2006-11-13 [長年日記]
■天然成分100%だから安心はもうやめませんか?
漆だってトリカブトだってフグ毒だって「天然成分100%」だし。
天然成分100%だから安心、という商品を見ると逆にうさんくさく見えてしまうのは私だけ?
人工的な化合物よりも天然での化合物の方が安心だ、という言い回しはそろそろ消えて欲しいなぁ。
天然成分100%といった時に、"成分"とわざわざ言っているわけだから、必要な成分だけを人為的に抽出しているわけだよね。その工程と、成分を合成する工程とでは抽出する方が"より安全"なんだろうか……?
■人工雪誕生の地は北海道大学にある
北海道大学構内に、「人工雪誕生の地」という記念碑が建てられている。中谷宇吉郎博士の研究がそこで行われていた。人工雪に関する科学的研究の成果は日本が端緒なのである。
その実験に関するエピソードはこちら。
ここに書いてあるとおり、北海道大学には低温科学研究所が今もある。
さて、人工的に雪を作る、というのはどういうことか。水が固体に相変化する時の結晶の形をどのようにしてコントロールするか? ということ。
兎の毛を使いきれいな氷の結晶(=雪)を作ることに成功したその後は、どのような結晶がどのような条件下で作られるか? という方向に進んでいった。
低温科学の、それは大事な一歩。
いくつかのサイトから引用する。
業績を称えて南極の地名にナカヤアイランズ(Nakaya islands)、小惑星10152番にウキチロウ(Ukichiro)、北海道の六花亭*1の銘菓ウキチが、命名されている。
中谷宇吉郎 - Wikipedia
Nakaya's book offers a superb look at a scientific investigation which begins with almost nothing
Early Snow Crystal Observations
Offers selections from the popular writings of internationally famous Japanese snow and ice scientist NAKAYA Ukichiro
私が知ったのは、実際に北海道大学の構内でその記念碑を見たからなのだけど、どのぐらい知られているのだろう? と思う。
そこは日本人が大きな業績を残した科学分野だということをもっと知ってほしいな、とも思うのだ。
■常識だって変化する
これ、うなずきながら読んでいた。
「常識覆す」と書いてはあるけど、世のお母さんがたは特に驚かないかもしれない。
学校の指導に対して"今どきそんなのおかしい"と言っている保護者の方々に出会ってきた。
こういう防犯意識に対して、"壁"になるのは常識じゃなくて、案外、学校なんじゃないかな?
この本だな、きっと。
■プロダクトでたどる自分史
いろいろなプロダクト――工業製品の写真やスペックのアーカイブ。
自分になじみが深いものをだして、こうだったなぁ、と眺めているとふと時間が経っていたりして。
HitbitとかX-1とかFM-TOWNSとか。
トップページをリンクしておく。
via
■魂の座
ある日のカミさんとの会話。
「兄ちゃんと話しをしてると、どうも輪廻とか転生とか信じてるみたいなんだよねぇ。同じ親に育てられたのになんでこんなに違うんだろ?」
「ふーん。でもさ、輪廻とか転生とか論じるためには、"魂"なるものが存在するという前提が要るよねぇ。あなたは多分"魂"の存在を本気で信じてはいないでしょう?」
「……そうだね。確かにそうだ」
生命や意識、魂。
それらについて科学的に(というのは客観性や再現性のこと)定義しようと試みたときが、宗教と科学が相対するときだと思う。
それまでは無関係のまま。
一見してお互いに影響しあっている様に見える場合でも、それは間に人が介在するせいで"そう見える"だけなんじゃないかな、と。
■のだめカンタービレ
あー。Rhapsody in Blue の入りがピアニカなのか〜。そうか、そうだよな、マンガを見て想像できなかった自分が馬鹿?
さて、
がAmazonから発送済み。明日には聴けるな。
ラフマニノフの2番のピアノパート部分だけをじっくり聴いたのは初めて。面白かった。
来週はのだめのむちゃくちゃラフマニノフが聴けるか? それも楽しみ。
で、本日の番組終了後のお楽しみは、
これで。
作曲者ガーシュウィン本人の演奏をピアノロールで再現したもの。今残っているスコアとは違う部分がある、いわば原型《オリジナル》とも呼べる演奏。
*1 "六花"はマンガ「BLEACH」にでてくるなぁ。"六花"は雪の異称であり、菓子メーカ"六花亭"もそれに因む。