2005-05-15 [長年日記]
■θは遊んでくれたよ を読んだ
探偵が解明するのは謎ではない。
不可解に思えること,合理的な説明のつかないこと,あるいは関連性がなければならないはずなのに関連性が見つからないこと。『それ』をなんと呼ぶべきか? 命題にすらなっていない問題、科学の第一歩は『それ』を探し出すところから始まる。
話がそれた。
探偵は『それ』に対して仮説を披露する。それは自分が,あるいは周りの登場人物が、あるいは読者が納得できる1つの仮説。
だが、その場面よりも前にその仮説は別の者によって示唆されている。
その仮説は、周りの登場人物,もしくは読者に対して――あるいは読者のために――示されたもの。
物証は後から追いついてくる。
仮説は真実味を増す。
だが、読者には呈示されない『それ』が存在する。永遠に呈示されることはないであろう。
そういう話。
追加:
作中、答えは判るが回答が示されないなぞなぞが1つあるけれども、これはその答えを辞書や事典で調べてしまえば簡単に回答にいきつく。(いちおう気をつかって文字を隠してみました。選択すると読めます。)