2005-05-06 [長年日記]
■新井素子 あれこれ
id:akaponさんからコメントをいただいて、新井素子研究会をのぞかせてもらった。
小説で未読なのは「チグリスとユーフラテス(新井 素子)」と「わにわに物語」ぐらいか。「チグリスとユーフラテス」は、この休暇中に読みたいと思っていた。
自分で買った本とカミさんが買った本をあわせると、結構な量になる。
が、微妙に好みの作品がズレていて重複があまりないのが不思議。
今では誰でも知っているカプチーノだけど、「グリーン・レクイエム (講談社文庫)(新井 素子)」が書かれた頃にはまだマイナだったと思う。
大学時代、ちゃんとした喫茶店に入(る羽目にな)った時、メニューにカプチーノがあるのを見つけて頼んだら、シナモンスティックがちゃんと付いてきたのが、妙に嬉しかった。
大学時代に「おしまいの日 (新潮文庫)(新井 素子)」を授業中に読んでいて(おい)、怖くなってじっとしていられなかったことがあった。
そんなわけで、「グリーン・レクイエム」も「あなたにここにいて欲しい」も映画を見た*1のだけど、「おしまいの日」は今もちょっと見る気が起きないのだ。
■五人姉妹 を読んだ
こわい。あいかわらず、こわいストーリィを書く。
流麗な文と、美しい情景。けれど、こわい。
それはhorrorではなく、terrorでもなく、きっとaweなのだ。
こわい、でも作者のあたたかく見つめる目が感じられる。
「箱の中の猫」、途中「ほしのこえ」テーマか? などと思って読み進めていったら、最後の1文で奈落に突き落とされた。
その1文、そこに行き着くための作られたSFマインドにあふれる舞台は素晴らしかった。けれども主人公にとっては……。
頭から血の気がすぅと引いていくかと思った。呼吸を止めてしまった。
短編にある切れ味。それを堪能できる、まさに『珠玉』。
■漫画喫茶
本当は7巻まで読み切りたかったのだが、誰かが5巻を持っていっていた。
全員がアンハッピーでメロウなところが珍しい。続きはまたの機会に。
のだめカンタービレに触発されて、再読してきた、吉住渉の初連載作品。
んー。今読むと短い連載のわりにメインキャラが4人もいるせいで話の運び方が中途半端。
恋愛関係をストーリーに組み込まない方が実は面白そうだけど、少女漫画のフォーマットからはみ出してしまうのでできなかったのだろうなぁ。
次の「ハンサムな彼女」は長い連載に支えられたおかげで、映画関連の話と恋愛関係の話が両立できていて、結構面白かった(1年ぐらい前に一気に再読した記憶あり)。
連載時にリアルタイムで読んでいたのだけど、ストラディヴァリを初めて知ったのはこの漫画だったな。今読むとアマティの名前も出てきているのに気づくのだけど、そっちの方を知ったのずっと後の話……。
6巻まで読んできた。漫画の方を読むのは初めて。
アニメの方はCSで何度も何度も放映されているけど、何故か最終回を見られない。
単純に忘れたり、残業で帰れなかったり、実家に帰る日と重なっていたりで全然縁がないのだった。
*1 ビデオでだけど