過去の日記

2008-10-25 [長年日記]

faviconって [徒然]

(IEの) my FAVorite's ICON のことなのか、と気がついた朝。

自然数は必ずある桁で数字が止まって初めて数になるのです [hatena]

回答書いていたけどしめ切られてしまった。

対角線論法が駄目だと思います.無限は無い,あっても一つだと思います.
1.二進法で表した,自然数と区間[0,1)の実数とを考えます.
2.二進法で表した整数を区間[0,1)の有理数に1対1に対応させます.たとえば110101を0.101011といった具合にします.(対称になっているのです)
3.n桁以下の自然数(0も含みます)について,2^n個の自然数があり,それらに2^n個の区間[0,1)の有理数が1対1対応します.
4.log2_n(nの底が2の対数)はnの極限をとると当然無限です.(log2_nが任意の自然数より大きくできるということです.n=2^(N+1)とおけばlog2_nはNより大きいです)
5.以上よりもれなく実数と対応するといえます.
自然数濃度と実数濃度は同じではないでしょうか.
http://q.hatena.ne.jp/1224941448


用意していた回答(じゃないけどね)。

逆質問。


1.から自然数と区間[0,1)の実数を対応させていると思われているようですが、循環小数
0.10101010101010……

0.010101010101010……
に対応する自然数はなんですか?
(あるいは、それは自然数ですか? という質問の方が本質的)


もし上の質問に答えられたとしたら次の質問。
その2つの数のどちらが大きいですか?
(あるいは、自然数濃度であるならば順序がつけられるはずですがどういう順序付けをしますか? その順序づけにおいてどちらが先にでてきますか? という質問の方が隙がない)


バッサリ書くと、

  • 0.01111…… という数と、……11110 という左に無限に1が続く「何か」が対応するじゃないか
  • だって自然数は無限にあるのだから!

と考えているのかもしれませんが、「……11110 という左に無限に1が続く何か」は自然数ではないわけです。

「自然数が無限にある」からといって、「(左側に)無限に数字が続く」ことはないのです。

ここまでで一回トラックバック。そして追記する。


無限集合のべき集合の落とし穴

の元問題と同じタイプの落とし穴に、逆から嵌っている。


こういう問題。

2のべき乗の集合。
\(\{2^{0},~2^{1},~2^{2},\cdots,~2^{n},\cdots\}\)

部分集合を考える。\(~\{~2^0,~2^1~\}\) や、 \(~\{~2^2,~2^4,~2^5~\}\) など。
これを「2進数による数の表現」だとしよう。
前者は\(~\{~2^0,~2^1~\}~\rightarrow~\{~1,~2~\}~\rightarrow~1~+~2~\rightarrow~3\) 、
後者は\(~\{~2^2,~2^4,~2^5~\}~\rightarrow~\{~4,~16,~32~\}~\rightarrow~4~+~16~+~32~\rightarrow~52\)
となる。

では、
「《2のべき乗の集合》の部分集合(の集合)が自然数(の集合)と一対一対応する」と言えるだろうか? というのが問題*1


ところで「部分集合の集合」をべき集合と呼ぶので以下べき集合と書く。

《2のべき乗の集合》のべき集合を考えてみよう。
\(~\{~\phi,~\{2^0\},~\{2^1\},~\{2^0,~2^1\},~\{2^2\},\{2^0,~2^2\},~\{2^1,~2^2\},~\{2^0,~2^1,~2^2\},~\{2^3\},~\{2^0,~2^3\},\)
\(~\{2^1,~2^3\},~\{2^0,~2^1,~2^3\},~\{2^2,~2^3\},~\{2^0,~2^2,~2^3\},~\{2^1,~2^2,~2^3\},\{2^0,~2^1,~2^2,~2^3\},~\{2^4\},~,,,\}\)
便宜上空集合\(\phi\) を0と見なすとして*2、1つの部分集合が1つの自然数と1対1に対応しているように見える(上の場合だと、0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16,,, になっている)。

……が、それは間違い。
もとの集合が無限集合であることを忘れている。

例えば、もとの集合自身もべき集合の元(げん)である。\(~\{~2^0,~2^1,~2^2,~2^3,~,,,\}\) と無限に続く集合。これに対応する自然数はあるだろうか?

ないのだ。

同じ様に、\(~\{~2^0,~2^2,~2^4,~2^6,,,\}\) や \(~\{~2^1,~2^3,~2^5,~2^7,,,\}\) のようなものも、対応する自然数がない。(これが回答として用意した部分の、0.10101010101010…… 0.010101010101010…… に対応していることに気がついて欲しい)


「《2のべき乗の集合》の部分集合(の集合)が自然数(の集合)と一対一対応する」と言えるだろうか? というのが問題だった。

これについては、
「《2のべき乗の集合》の部分集合のうち、有限集合だけを取り出すと自然数と一対一対応する」というのが正解。(空集合の扱いがぞんざいだけど)


最初のはてなの質問で忘れられてしまっているのが何かといえば、「《2のべき乗の集合》の部分集合の中の、無限集合である元」。

それが「実数の無限」と「自然数の無限」の差。

もいっかい [etc]

《2のべき乗の集合》の部分集合は3つに分類できる。

  • \(\phi\)
  • 有限集合
  • 無限集合


で、\(\phi\) を0に、有限集合を自然数に対応させる、というところまではいい。
それがもとのはてなの質問のアイデア。

残った無限集合が、忘れられた部分、考慮されていない部分。


同じ話は形を変えて何度も繰り返しているのだけど、あえて新しくまとめて書いた。


最近だと、

実数はほとんどすべてが超越数

が近い話題か。

自然数の濃度\(\aleph_{0}\) と、実数の濃度\(\aleph\) の大きな隔たりの話になっているかな、と。

一応書いておくと

「対角線論法は正しい」と主張するつもりは全くない。
「対角線論法が間違っているというその考え方は正しくない」というだけ。

対角線論法を擁護しているのではなくて、それでは実数と自然数が一対一対応していませんよ、という話。

*1 一対一対応するのは集合だったか、元だったか???

*2 集合論から考える時に0が自然数に含まれる理由はこれ。