2008-10-12 [長年日記]
■今月の数学セミナーの特集は「計算の品質──精度・誤差・効率」です
数学セミナー(日本評論社)の2008年11月号の特集は、エントリタイトルの通り、「計算の品質──精度・誤差・効率」だ。
改めて言うこともないと思うが、コンピュータでの数値演算は丸め誤差の問題がつきまとう。計算による丸め誤差以外にも10進数と2進数の違いによる誤差などもある。1回の丸め誤差はよいとしても、数百万回繰り返して演算した結果に丸め誤差がどの程度あるかなどは難しい問題である。
で、今回の特集、
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しかし,つい最近になって,このような数値計算の誤差が非常に詳細に勝つ厳密に,そして高速に計算できることがわかった.精度保証付き数値計算と呼ばれる技術に大きなブレークスルーがあったのである.
ということだそうだ。
簡単な説明。
連立一次方程式の精度保証付き解法、固有値問題の精度保証付き解法(係数行列の固有値は重要なファクタだ)。
ナヴィエ−ストークス方程式(漫画「バーテンダー」にも名前が出てきた流体のモデル化になる方程式)。
カオス。
幾何学アルゴリズム(点が凸包に内包しているか? といった問題)。
そのあたりが記事になっている。あくまで「数学セミナー」の記事なので当然普通のプログラミング言語などがでてくるわけではないが(MATLABは登場する)、自分に近い分野なのでなかなか面白かったかな、と。
有隣堂書店ルミネ横浜店のベスト10。
が1位なのはいいとして、
が4位に入り込んでいるのはすごいな。