2008-10-05 [長年日記]
■バーテンダー 12
"Nobody is perfect"
あまりにもおざなりだったので追記(ネタバレあるか?)
上の台詞はもちろん、いわずとしれたビリー・ワイルダー脚本「お熱いのがお好き」のオチの台詞。
それ自体は最後のページの手紙でフォローされているけど、実は佐々倉君がなんでこの言葉を選んだのか分からない。
それまでのページの中で、「お熱いのがお好き」もしくは「ビリー・ワイルダー」を暗示するものがあったのかどうか……。
気にはなるが答えが分からない、似非映画好きな私(誰か教えてください)。
■パンプキン・シザーズ 10
引き出しの多い作者だなー、と感心する。
タイトルの英語を読んだから認識できたけど、表紙絵でパンプキンシザーズだと分からなかった。
こっちも追記。ネタバレというか次の巻のことについて推測してみたかったりするので読了前提。
0番地区を支配している2勢力に対して抗争になるようにしむけるロンダリオ、という図式は当の2勢力にとって既知なわけで。
買収した連中がどういう目にあおうとロンダリオにとっては構わない。
実際、ボルモン派の方に取り入った方は顔も見せずに退場しているわけだし。グランマ側の方も、いざとなったら切り捨てるぞ、と脅しているしね。
0番地区の壊滅(というか掃討と統治)をロンダリオが画策しているということをどこまで信用させることができるのか? という方向にはいかないはずなのだ。伍長ががんばっているけど、対ロンダリオに2派が手を組む、あるいはとりあえず静観する、なんてのは今の段階の状況証拠だけではありえなさそう。
抗争自体は勃発するのは避けられないんじゃないかと思うわけで、そうなると、その終結までに伍長や少尉(および陸情3課)が介入して、ロンダリオの予想を覆す形で終わらせるという筋の方が面白そう。
そうするとボルモンについているアベルの立ち位置が面白い。
「ボス以上の給料を払えるんなら今からお前が俺のボスだけど?」などと言っているが、これが本心なわけないし──というかボスに本心だととられたらヤバイわけで、この台詞、「お前の後ろ盾はどのぐらいなんだ? それとどのぐらい強いパイプをお前は持っているんだ?」ということを反応から察するための言葉なんじゃないかと。
あのかわいそうな"彼"がそれに対して何の反応もできなかったので、"彼"の方から何か働きかけられる様な立場にない、と判断したと思うのだ。
そうすると、この台詞をアベルが伍長もしくは少尉にするというシーンが登場するのではないか? それに対してなんと答えるのか? というあたりが分岐点として重要になってきそうな気がする。
勝手気ままに書いてみた。