2008-01-10 [長年日記]
■バケットソート・ビンソート
人力ソート・・・200枚の数字が書かれた紙を数字順に並べる効率の良い方法を考えて下さい。
http://q.hatena.ne.jp/1199891426
回答は1.や3.でよいでしょう。
実際の作業は、3人よりも2人でやることにした方がいい気がします。
まず1回2人共同で100以下と101以上に分けて、あとはそれぞれでビンソートするでしょうね。
■CSS :first-line疑似要素と、句読点類の繰り返しの問題
Unicodeの句読点クラス(punctuation classes)の繰り返しと、:first-line疑似要素(pseudo-element)の関係が曖昧、という話。
文頭に「※」記号を使ったとき:first-letterの設定が2文字目まで適応されてしまいます。
http://q.hatena.ne.jp/1199882581
なんでこんなことが起きるのかというと、CSSの、
Punctuation (i.e, characters defined in Unicode [UNICODE] in the "open" (Ps), "close" (Pe), and "other" (Po) punctuation classes), that precedes the first letter should be included,
http://www.w3.org/TR/REC-CSS2/selector.html#first-letter
の仕様に原因がある。
punctuation classes は直訳なら句読点類、かしらん。
句読点類が最初の文字(letter)に先行するならば、それにもスタイルを適用すべき、と言っている(句読点類は character ではあるけれど letter ではない、ってことなんだろうな)。
上のリンクのちょっと下にある画像を見てみよう。
ピンとこなければ、
p.test:first-letter { font-size:x-large; } (略) <p class="test"> "A bird in the han is worth two in the bush," </p>
と書いてみて結果を見るとよい。
(あ。d が抜け落ちてる。ハードコピーを取り直すのは面倒なのでご容赦のほど)
最初の character が"だとか'だとか,だとか、つまり日本語でいう句読点や括弧の類ならば、:first-letter の効果が及ぶべきなのはその次に続く文字(letter)までであるべき、という理屈。
それがなんで※までそうなっちゃうの? というと、*が "other" punctuation classes に入っているせい(Po って書いてある)。
句読点というわけではないので「単語を区切る文字」というような認識でいいのかな。
全角※もGeneral Punctuationの範囲(PDFへのリンクです)に入っている。
実際、質問の全角※を半角の*に変えても同じ結果になることが確認できる。
からのスレッドが同じ質問になっている。
回答として、上でも引用した :first-line の説明の部分を挙げた上で、
The asterisk is in the Po character class, so it should be included.
http://archivist.incutio.com/viewlist/css-discuss/70912
と回答があり、
I think the W3C is wrong on this one though.
http://archivist.incutio.com/viewlist/css-discuss/70915
ときて、
Again, doesn't solve your problem, but hopefully makes it clear that
this is actually good that it works as it does.
http://archivist.incutio.com/viewlist/css-discuss/71007
となる。
さて、W3Cが説明しているのはここまでで、じゃあ、
""""""A bird in the han is worth two in the bush,"
とかいうのにはどうするの? っていうことには明確にしていない。
なのでユーザエージェントごとに実装が違うということになる。
その辺は lexer や parser や renderer の実装の効率を考えてね、ってことなんだろうか……?
■ボトルネック 読了
(カバー折り返しより)
恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は強い目眩に襲われ、そきまま崖下の落ちてしまった。――はずだった。
ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。
不可解な想いを胸に自宅へと戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。
どうやらここは、「僕の生まれなかった世界」らしい。
パラレルワールドネタ。「平行世界ネタ」といよりも「分岐ネタ」という感じ。
で、だ。
ええっと、これって、リドル・ストーリーだよね?
状況が判った時点から、「僕」の生まれなかった世界と「僕」の生まれた世界の比較が始まる。
その違いが「僕」に自身の存在意義を問い続けさせる。
やがて「僕」は「僕がいた世界」に存在してよかったのか? という「夢の剣」を突きつけられる。
ノゾミは「僕」のいた世界では死んでしまっている。
「僕」のいた世界での、彼女と、僕の出会い。
「僕」のいない世界での、彼女と、存在しないはずの「姉」の出会い。
その時に彼女に起こったことが、物語の最後で「僕」に返ってくる。
自分で決められる気がしなかった。誰かに決めて欲しかった。
と願う「僕」。そして最後に届いたメール。
多分その「誰か」は──つまりそれを決めるのは──「読者」。
なんだと思う。
思うのだけど少し自信がない。
それで「これってリドル・ストーリーだよね?」となるわけだ。
んー。
これがジュニア小説で*1、高校生ぐらいの時に読んでいたなら、すごく印象に残ったであろう、という逸品だと思う。
十分に面白かった。楽しませてもらえた。
ただちょっと出会った時が遅かった、と残念な気持ちもある。
問題は、この小説の本質──主題? とも少し違うような──がまだ分からないこと。
結末を読者に委ねたリドル・ストーリーなのか? もしそうなら私の答えは決まってしまっている。
でももしそうでないなら、つまり私の読み方が浅くて、「私の答え」など入り込む余地がない解答があるリドル・ストーリーなのだとしたら? と考えると悶々となる。
もう一度、読み返したいとも、思う。
*1 というか、私の中では「ジュニア小説」に分類されてしまったけど。