2006-12-27 [長年日記]
■新ISBNがもたらしたもの
先日のエントリ、
はたくさんのアクセスをいただいた。
この話はおそらく多くの方の興味を引くだろう、という予想はしていた。
「Web2.0なる世界」の中でもトップに近い方の大きなWebサービスが、ISBN規格変更という「外的要因」によって仕様の変更を迫られた、おそらくは初めての事例だろうから。
Amazonにはいくつかの選択肢があった。
ASINを内部仕様も含めて13桁に拡張するとか、外部仕様は13桁に拡張するが内部的には符号化を施して10桁に納めるとか……。
けれどAmazonは自身のサイトのことだけを考えればいい立場では、すでにない。
幾千、幾万の——このblogの様な些末なものを加えればさらに桁違いの——Webサイトが、「Amazonが提供するWebサービス」に依存してしまっているからだ。
「Web2.0なる世界」の中で、中心に位置しようとすればこの様なリスクを抱え込むことになる。
おそらく、Amazonの内部でもどうするべきか? という検討は十分になされたのだと思う。そうでなければ「Web2.0なる世界」の中心的なプレイヤーである資格はない。というか、中心的なプレイヤーでいつづけることはできないのかも。
『Web進化論』で「こちら側」と呼ばれたこの世界の何かが「あちら側」に影響を与える様を見た(あるいはこれから見ることになる)。
「Web2.0なる世界」は中心プレイヤーが抜けることで瓦解する脆弱なネットワークなのか、それともそれを補完しあうように動く自立的なネットワークなのか。
なーんてね。グレッグ・イーガンを読んでる途中だからね……。
■ハチミツとクローバーII vol.3
歩いてるはぐちゃん。
隣を通るガラス。
突風。
ときてその次は、漫画では見開きの大ゴマ。
アニメではスガシカオの歌がかぶさり、短いカットが続く。
残念ながら漫画の方が、はるかに印象が強い。空間に対しては、コマ割りという武器を持った漫画には勝てないなぁ。
が。
その後。
はぐちゃんの手に浮かぶアザ。花本先生の手に浮かぶアザ。
それを画面に固定したまま進む竹本君のモノローグ。
これはいい。
漫画だと、絵を見て、ネームを読んで、というふうに視線が移動するのだけど、アニメでは竹本君の台詞を聞かされている時に視線は固定されたまま。まさに釘付け(しかし動きがあるわけではない)。
あと雪の中で座り続けたままの森田兄とか……。
この辺はアニメの方がはるかに印象が強い。
漫画とアニメ、一長一短。
アニメスタッフの意地を感じる巻だった。
■理屈づけより実践
答えは示せないが、答えを得る方法なら示せる、という例。
和食の味付けって味噌や醤油+みりんが多い気がしますが何か理由があるのでしょうか
http://q.hatena.ne.jp/1167221103
一ヶ月ほどみりんを使わないで料理をしてみればいい
で、
あなたが何か違いを感じたなら、それがあなたにとってのみりんを使う理由です
あるいは、
あなたが何も違いを感じなかったのなら、あなたにとってみりんを使う理由はどこにもありません
となる(「あなたにとって」という限定がつくことには要注意)。
実際、うちにはみりんがない。
でも、和食は作れる。