過去の日記

2006-02-09 陰陽師は式神を使わない, ソーシャルブックマーク×ニューラルネット [長年日記]

interface の中にメンバクラス [tech][java]

を書いてFacoryにする、というアイデア。

public interface Something {
  //インターフェースに属するメソッド
  int get();
  
  //ファクトリー
  class Factory {
    public static
    Something create() {
      return new ThatThing(); //適当な実装クラス
    }
  }
}

作りたいインスタンスの種類に応じて、Factory, Singletonなどとクラス名をかえておくことで、より分かりやすくなるのではないかと思います。
Java : ファクトリーとか - lethevert is a programmer

うーむ、こんなのは思いつかなかった。
文法上(↓参照)、 InterfaceMemberDecl に ClassDeclaration が確かにありますね。

http://java.sun.com/docs/books/jls/third_edition/html/syntax.html#18.1

陰陽師は式神を使わない [novel][movie]

……しきがみ→式神の変換って自分で登録したのかなぁ?
さておき、

陰陽師は式神を使わない (集英社スーパーダッシュ文庫)

  • 作者: 藤原 京
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売: 2006-01-25
  • ASIN: 4086302772
  • メディア: 文庫
  • amazon.co.jp詳細へ

だ。聖王の柩 (集英社スーパーファンタジー文庫)(藤原 京/菊地 竜也) からすると8年ぶりの新刊だ!
しかしこの人って、どうしてこう majority からほんのちょっとずれただけで minority になってしまうという、そんな傾向のネタが好きなんだろう。が、もっとも、自分もまたそんな氏の小説が好きなわけだが。
ただ今巻はタイトルがキャッチーなので、多くの人に手に取ってもらえるかも。そうだといいなぁ。


p132

(「易経」の文庫を本棚から出してきて)
陰陽師とかを小説に書く作家の誰も、読もうとしないみたいだけどね。

ああぁ! 耳が痛い。
ただ、氏自身があとがきで書いている通り、「知れば知るほど書けなくなる」。
戦国霊異伝の時も出てきたもん、陰陽師はこんなことしない! っていう主張が。それに目を瞑って「式神を使うっていう方向で」ってのがオーダーなんだもん、仕方ないじゃん。
――ま、もっとも、だからといって易経を読まないで済ませていいって理屈にはならないんだけど。


p158
天地非。
「ガメラ3にもでてきたなぁ。『天地非それ亡びなん』って台詞」と思った。が、次の瞬間、今まで大きな勘違いをしていたことに気が付いた。

天地非、それ亡びなん。

だと思ってた。
が、「天地非」が六十四卦の一つだとしたら?

ガメラ3バニシングブック (ロマンアルバム)

  • 作者: 樋口真嗣
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売: 1999-05
  • ASIN: 4197200773
  • メディア: ムック
  • amazon.co.jp詳細へ

を引っ張り出してきて脚本(準備稿だけど)を確認する*1
あぁ、やっぱり!

「天地非。それ亡びなん、それ亡びなん、苞桑に懸かる」

後半部分は決定稿までに削られたらしく映画には出てこないが、果たして「天地非」の直後に読点があった。


p205

もともと鎌倉幕府ってのは、(略)京都の公家社会に対抗する関東の御家人連合政権だっていうのが実際で、頼朝はそのための権威として担ぎ出されたに過ぎないらしいんだよね。

ふむ。

QED ~ventus~ 鎌倉の闇 (講談社ノベルス)

  • 作者: 高田 崇史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売: 2004-08-06
  • ASIN: 4061823841
  • メディア: 新書
  • amazon.co.jp詳細へ

と近い内容だな。


p214

「(略)五行相生と五行相克。生じる方は木火土金水の順番だよ。木が燃えて火が生じ(略)。克する順番は正反対で水金土火木だ。水は金を溶かして克し、(略)。でもこれの意味は、順番を覚えるための語呂合わせみたいなもんで、言葉の上に真の意味など特にないんだよ」
「そうなの?」と顔をあげた胡桃沢さん。
(略)
「これは単なる演算法則ってわけ。まさしく東洋の円環思想を表すもの、三すくみ的な演算法則。(略)」

木火土金水に兄弟(あにおとうと)で十干。それに十二支。この辺は情報科学のモジュロ(法)という考え方を知っていれば理解も早い*2
そうそう「干支」っていうのは、十二支だけじゃなくて十干とセットの概念なわけだけど、正しく使ってもなかなか他人には伝わらない。


次の新刊も期待してますよ! 私は!

ソーシャルブックマーク×ニューラルネットワーク [etc]

scenario experiments lain を読んで、アニメ版lainを(これで3度目なんだけど)観ている途中でふと思ったこと。
ソーシャルブックマークをニューラルネットワークに比喩させて語ることは可能だろうか?
ニューロン(ネットワーク上のノード)にあたるのが各個人のブックマーク。
「あるURIをブックマークする」というのが入力であり、同時にそのニューロンを発火させる行為でもある。ニューロンとニューロンの間にリンク*3が存在して、あるニューロンが発火するとリンクを伝わって別のニューロンの発火を促す。「そのURIの記事を読んでブックマークする」ことを発火に喩えれば、まぁいいか?
リンクに重み付けがあるわけではなくて、各々のニューロンが「入力に足して発火するかどうか」の確率関数のようなものを持つ……のか?
……そうか。リンクの重み付けは、発火したニューロンから別のニューロンへの伝播の度合いを示す。受け取ったニューロンが発火しようとしまいと、そこからさらにリンクを伝わって別のニューロンに入力が伝播する(その時にまた重み付けが働くわけだ。またこの過程ではリンクを逆に渡る伝播は考えない)。その伝播の結果としてどこかのニューロンが発火する(=誰かがブックマークする)とそれが入力となってリンクを辿って伝播する。
リンクは双方向で繋がる可能性もあるが、重み付けに対称性は無い(だろう)。他から伝播してきた入力に対して発火すると、重み付けが強化される。発火が無いと重みは低くなり、あまりに低くなるとリンク自体が切れる(はてブで言えば"お気に入り"から消える)。
入力に対して発火するかどうかの確率関数やリンクが持つ重みは"個人"に依るわけだけど、リンクそのものは"ソーシャルブックマークというシステム"に依るのではないだろうか。
こんなモデルでいいかな?


素朴なWWWネットワーク(HTTPとHTMLユーザエージェントで構成されているネットワーク)や、素朴なblogネットワーク(trackbackやpingで構成されるネットワーク。RSS aggregator の様な存在を考慮しないという意味で「素朴な」と言っている)もネットワークだし、似たような性質を持ってはいるのだろうけど――伝播の部分のモデルが若干違うということで……。


発想元

lain―scenario experiments

  • 作者: 小中 千昭
  • 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
  • 発売: 1998-11
  • ASIN: 4789713202
  • メディア: 単行本
  • amazon.co.jp詳細へ

serial experiments lain TV-BOX [DVD]

  • 監督: 中村隆太郎
  • 出演: 清水香里,大林隆之介,五十嵐麗,川澄綾子
  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • ASIN: B000ALF6U8
  • 発売: 2005-09-22
  • amazon.co.jp詳細へ

*1 脚本を引っ張り出してくる必要もなく、トレイラーあたりに出てきていたかもしれないが。

*2 数学なら有限体だねぇ。

*3 ここで言うリンクはグラフ理論の用語に近いニュアンス。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E7%90%86%E8%AB%96