2006-08-21 ゲド戦記 [長年日記]
■ゲド戦記
いや〜。長い帰省の間に観てきました。ゲド戦記。
いいですね。
何がいいって、それぞれの場面で各キャラクタ達の意志決定がどういう規準でなされているかが全然見えないこと。あと、目の前で展開する事象の因果関係が想像できないということ。
ファンタジーを書くのに――あるいは「異世界」を書くのに――これほど強烈な手法はないですよ。
そこに生きる者達、とりわけ「人間」という種族が我々に近いほど、ファンタジーとしては失敗。彼らが「世界」に相対するときの姿勢が我々と違っていて当然。そこを「地の文」無しで書かなければならないアニメや映画だと、迂闊な描写をするとステロタイプにはめこんでしまうだけ、という情況になりがち。
そういう安逸な方向に逃げないで、まるでキャラクタ達を突き放す様な格好で展開してれてワクワクしてみてました。
惜しむらくは、カミさんの言葉を借りれば「敵キャラがつまらない」ということ。なぜか、クモといいウサギといい、「いわゆる敵キャラ」だけがステロタイプなんですよそ。
逆にいうと「いわゆる敵キャラ」だけを「こちら側」に近く書くことで、彼ら(クモやウサギ)が「あちら側」での異端だということを表現しているのでしょうかね?
註:あまり本気に読まないでくださいね。ただし、嘘を書いているわけでは全くありませんが(ちょっと誇張しているだけです)。
■ゲド戦記
いや実は小説の方は読んだことが無い。
岩波書店の「同時代ライブラリー」で「影との戦い」がでたときに買って、
3冊集まったら読もう、とか思ってたら、続刊でず……。
舐められてる?
当時、先輩が「続き出るまで買わない」と言っていたのが印象に残っている。
ファンタジーって映像には向いてないよね。
「指輪物語」も実は読んだことが無かったのを、映画公開にタイミングを合わて読み進めたわけだけど、痛感したもの。
映画は大層面白かったけど、それでもファンタジーとしては成立してないなぁ、と思った。エントのメンタリティとか、小説での描写は実によかったけど、映画では無理。もうバッサリ切られていたし。いやもちろん時間を割けないという理由だってあるのだろう。
「同時代ライブラリー」といえばミヒャエル・エンデの、
は必携ですな。
あ、ISBNの出版社番号00って岩波書店だったんだ……。
■ぐだぐだ
だって十日間もパソコン触ってないんだもん。
■Wunderkammer
Q.E.D.ともロケットマンとも、内容的に差別化ができている!
これは凄い。
森羅君が謎を解くのと、森羅君についての謎が解かれるのと、セットで一つの話になっているのが凝っているなぁ、と思った。
■あろひろし だっ!
コマ割りは四コマ漫画のそれなのに、読んでいる感じはあろひろしの普通のコマ漫画だ。
四コママンガ自体は初めてでは無いと思ったのだけどな。
実に久しぶりに「あろひろしの漫画」を楽しんだよ。
衝動買いして正解。
■ゲド戦記 とか ハチクロ とか
あ、漫画原作は最終回を迎えているんだ。
あぶねー。判ってよかったよ。絶対に読まない様にしないと……。
ゲド戦記の記事は特筆するところは無し。
さりげなく、Wii に『逆転裁判』が移植されてあのコントローラで「異議あり!」のボーズをやりたい、という記事に笑った。