2008-08-30 [長年日記]
■時砂の王 読了
さて次は何を読もうかと本棚の中の未読棚を眺めていて、これがあることに気がついた。つい先日読んだ「フリーランチの時代」の人の長編。
買ったっけ? と訝りながらも、これはタイミング的にも今読むべきだなと思って手に取った。
時間もので、分裂的平行世界もの。
「敵」との戦いに勝ち目が無いことがはっきりしてきたために、過去に遡っての殲滅線という手段を決意する人類。(ただし救えるのは別の時間線の世界なのだが)
過去へ過去へと遡り戦いを続ける部隊。
だがその戦いも実り少なく、最終決戦の時間線を設定し全線力をそこに集結しようというとき、そこから離脱して短い間隔での時間遡航を繰り返して連戦を決意する主人公。
A.D.248年の日本列島から話は始まる。章名にはStage448と銘打たれている。
で。
号泣した。
「ある日」は「唐突」にやってくる
「伏線」など張るひまもなく、
「説得力」のある破壊なんてあるものか。
とは、藤子・F・不二雄の短編「ある日…」の台詞であるが、その通り不意打ちをくらってしまった。
あー。泣いた泣いた。
細かな伏線などかあるわけではなくて、長編1つとそれに挟み込まれるような形の短編を読んだような感覚。(A.D.248年がメインになっていて、その間に、「敵」との遭遇(Stage001)から始まって、時間遡航しての戦いを段階的に挟んでいる構成)
そのためもあってか、楽しく一気に読めた。
そしてガツンと、やられたのだ。