過去の日記

2007-12-14 [長年日記]

テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか その2 [book][news][etc]

テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか 読了

の続き。


具体的には、免許事業者が活用していない電波帯域を他の事業者に貸し出すことや、通信と放送の垣根を越えて映像を配信する融合サービスなどを挙げた。斬新なビジネスモデルを生み、放送・通信業界の国際競争力を高める可能性がある。

「情報通信法」一本化…現行法再編、新サービス創出後押し 総務省研究会報告:ニュース - CNET Japan

最近地上波テレビ番組の質が低下しているように思うのは、気のせいなのか歳のせいなのか?特に意味のない言葉を連発するコメディアンの面白さを理解できないのは歳のせいかもしれません。でもそれだけじゃなく、ニュースにしてもスポーツ中継にしても、なんだか薄っぺらな感じが気にかかるようになってきました。

ZDNet Japan Blog - 大競争時代のBI活用術:情報ブロードキャスト メディアの行く末

とまぁ、2つのニュースを引用してみたのだけど、この2つに「今までのテレビの在り方」がよくでている――ということが「テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか(吉野 次郎)」を読んだあとだと感じられた。
日本のテレビ局は国内にはめっぽう強いが、国外では全然相手にされてない(国外を相手にする番組を作っていない)。
テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか(吉野 次郎)」で、アメリカでは全く逆で、テレビ局の立場が弱いことを指摘している。
「番組を作る」ことを局の外に出してしまったのだ。
アメリカのドラマがここ数年人気沸騰している。作りがテレビとは思えない、って感じる人は多いだろうけど、制作費が桁違いであると書いている。

p172
例えば、人気ドラマ・シリーズは、一話当たり二億円が相場だ。さらに大ヒットすれば、一話の制作費は六億円にたっすることさえある。(略)キー局が二日かけて放送する全番組の制作費と同額を、たった一話のドラマに投入していることになる。

アメリカでは、番組を制作したスタジオがコンテンツの放送と流通をコントロールする。
制作した番組を他のテレビ局で再放送させたり、海外に輸出したり、DVD化したり……。そんな決定権がスタジオ側にある。
で、日本では事情は全く逆で、局が作成しない番組、つまり外部の制作会社に作らせた番組でも著作権は局が握っている。握ってきた。


で、最初に挙げたニュースに話が繋がる。
ここで言っている「通信と放送の垣根を越えて映像を配信する融合サービス」だとか、「斬新なビジネスモデル」だとか、要するに、「放送法に依ってテレビ局にコンテンツの流通がコントロールされている状況」への対抗策なのだな、と感じてしまう。


強力なコンテンツを作る能力がある制作会社。
テレビ局を通さずに放送/通信/配信するための法の裏付け。
それらが揃って、テレビ以外の媒体での売れるコンテンツ――いわゆるキラーコンテンツがもし出てくるなら。
そう。テレビ局は制作会社頭を下げて、コンテンツを放送する権利を買わなければならない立場に追いやられるかもしれない。
それはアメリカのテレビ局が陥った状況と同じなわけで、だから「テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか」って話に繋がってくるわけだ。


こんな感じで、

テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか

  • 作者: 吉野 次郎
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売: 2006-11-30
  • ASIN: 4822245543
  • メディア: 単行本
  • amazon.co.jp詳細へ

いいタイミングでこの本を読んだおかげで、面白いなぁ、と思えるニュースがちと増えた。

【インタビュー】「新しい表現を追い続けるのが作り手の使命」 - 土屋敏男が提案する"放送と通信の融合"の形とは? (1) 目指すはエンタテインメントの新大陸 | エンタメ | マイナビニュース

とか。

となるとアニメって [徒然]

アニメはテレビ局が制作現場じゃない。テレビ局には――テレビ局だけではアニメが作れない。
その辺が「世界に通用すると言われる」のと関係があるのかしらん。

SF+クトゥルー+スパイスリラー [気になる本]

SF+クトゥルー+スパイスリラー。むー。

(bk1から)
異界からの異形の侵入者。その怖るべき野望を打ち砕くべく、秘密組織「ランドリー」の若きエージェントは、数学的魔術を駆使して立ち向かうが…。表題作とその続編の全2編を収録した、SF+クトゥルー+スパイスリラー。

残虐行為記録保管所 (海外SFノヴェルズ)

  • 作者: チャールズ・ストロス
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売: 2007-12-14
  • ASIN: 415208880X
  • メディア: 単行本
  • amazon.co.jp詳細へ

第六種オレオレ証明書とFirefoxの件 [etc]

ところがその後、最近になってのことだろうか、 Firefoxでもこの機能がサポートされたようだ。上記の東京証券取引所と民主党のサイトを Firefox 2.0.0.11 でアクセスしても、オレオレ警告は出ずに正常にSSL接続が確立する。

Firefoxがどのバージョンからこの機能をサポートしたかは確認していない。

高木浩光@自宅の日記 - 第六種オレオレ証明書が今後増加するおそれ

いやいや警告でますよ、と書こうと思ったけど、

↓「警告出る」 < 確かに。「サポートされたようだ」は後で訂正。原因判明。専修大学 https://sps.acc.senshu-u.ac.jp/ に行って東京証券取引所に行くと警告が出なくなるっぽい。共通の中間認証局で認証済みだとこうなるっぽい?

はてなブックマーク - 高木浩光@自宅の日記 - 第六種オレオレ証明書が今後増加するおそれ

とはてなブックマークでコメント済みだった。


で。

1. visit https server 'A' that sends incomplete cert chain. SSL fails.
2. visit https server 'B' that sends complete cert chain, including the intermediate CA certs that were missing from server 'A'. SSL works.
3. try again to visit https server 'A'. Now it works.

Bug 399045 - PSM should remember valid intermediate CA certificates

多分これが同じことを話題にしていて、Status は RESOLVED FIXED で パッチソースもある、という状態。
というところまでは間違っていないと思うけど、このパッチソースでどうなるのかとか、2.0.0.11 に入っているのかとかまでは判らず(英語読むの疲れた)。
とりあえずここまでにしておこうと思った。もう昼だし。