2007-11-01 [長年日記]
■冬の巨人 読了
ジュヴナイル・ファンタジーのお手本にしたい作品。
残念ながら、いくつかの物語の構成上の不満と、設定上の不満があるのだけど、それを差し引いても、いい作品だった。
一応、終末もの、と言っていいだろう。
空には、常に、雲が在る。「太陽」は、その存在すら語られることがまれな存在。「雲の上」という言葉が、「死者の国」や「あの世」を指す様な……。
「歩く巨人」の背中にしがみついて生きる人間。
「巨人」の背中に「街」を作り、「巨人」の体を掘ることで熱を得*1、寒さをしのぎ、食物を生産する人間。
歩く巨人は"ミール"と呼ばれる。
"ミール"は、"巨人"の名であり、"街"の名であり。
――そして”世界”を示す言葉であった。
平凡な――しかし平均的ではないが――少年を主人公にすえる。
この"世界の在り方"に対して、懐疑的で、先進的で、奇矯な考えをし、巨人について的確に考察する教授がいる。
主人公は、教授の言うことを鵜呑みにもしないが、けれど退けもしない。
"教授"は、物語上の立場としては、いわば半分は私たち"読者の側"にいる。彼は"巨人"の外に"世界"があると信じている。というか、彼の"世界"という概念が"あちら側の普通の人"に比べて飛び抜けて広い。決定的なのは"
主人公はそんな博士の"
それは主人公にとって冒険とかそういったことではなく、主人公は"助手"として雇われた、ということなのだけど。
そして"
主人公が"世界の外"から来た少女と、出会うところから、物語は一転する――かと思いきや意外に淡々と進んだりして。
"巨人の千年の歩み"が終わろうとしていることがやがて明らかになり、否応なく"世界"は変革の時を迎えるのだが……。
あらすじとしてはこんなところか。
"終末後の世界"、つまり「北斗の拳」とか「マッドマックス2」とかそういった雰囲気を出しつつも、"巨人"にしがみついて生きる人間。
"巨人"はすなわち"世界"であり、"巨人"の熱に頼って生きる人間。
直截的ではないが、"現代社会での地球"と"物語社会の巨人"を読む側は対応づけてしまう。
人間は"世界"という概念をそうそう広く捉えるのは難しいと思う。
物理的スケールとして具体的に想像可能なレベルにまで"世界"を小さく設定して物語を進める。これは意外と常套手段だろうと思う。
それを"果てしなく広がる雪原を歩き続ける巨人"と"そこに街を作って暮らす人間"とするアイデアは魅力的で、そこでの人間の"在り方"が活写されていてとても楽しめた。
■コメントフィルタ見直し
設定の仕方と、その実装がどうなっているのかに勘違いがあった。
ちょっと設定をいじって様子をみることにする。
■株券電子化
電子化って違和感が。といっても……。
電算化はとっくに終わっていて、そこに入っていない株券を入れようという話だし。
電子情報化っていうのも変。株券はそもそも紙というメディアに格納された"情報"なわけだし。
なんか変な感じはするが、言い換えを思いつかないなぁ、と。
■はてなのスパム対策を読んでつれづれ
90% というのは思っていたよりも少ない割合だなぁ、と感じた。"90%以上"がどのぐらいの振り幅があるのかなぁ。
ブログを用いたスパムは昨年ころからどんどん増加していて、今年の2月時点で、はてなダイアリーに毎日投稿される全5万件のコメントのうち、実に90%以上がスパムコメント、という状況でした。
スパムとの闘い - jkondoの日記
そこで、サポートで使っているスパムブログ検出システムにさらに改良を加え、これらのブログが含む日記やおとなり日記に表示されないような措置を行いました。
スパムとの闘い - jkondoの日記
は、
これらのブログが"キーワードを含む日記"や"おとなり日記"に表示されないような措置
ですかね??
判定の方式を公開できないのは当たり前で、公開なんてしたらそれをかいくぐろうとする者にヒントをあたえることになるわけだし。
また、以下の記事にも似ていて、
こういった部分は「商品価値」でもあるわけで。
「このようなことを陰でやっているんですよ」と公開するのは、はてなにとってもちゃんとメリットがあるし、はてなユーザにとってもよいことだと思う。
上に書いたこととか、
で書いたこともそうだけど、私はむしろ、「どのようにして効果を計っているのか?」というあたりに興味あり。
■最近のTrackbackが消えた
あれー? なにかしちゃったかな……?
*1 経済とはすなわち、どれだけの熱源を得ているかに等しいとも語られる。