2015-10-07 [長年日記]
■暗黒のメルトダウン (ストレイン)
面白かった。
本文中、ラストに書いてある通り、想像していたよりもずっと「最悪」な事態になっていて、これから一体どうなるんだろうか。
しかし、ギレルモ監督の作だけあって、ひとつひとつのシーンがすごくビジュアル的に想像しやすくて読みやすい。
ドラマにしたらさぞ映えるだろうなー、と強く感じた。
続き気になる。
2015-10-01 [長年日記]
■スクリプトドクターの脚本教室・初級篇
スクリプトドクター、つまり脚本の『医師』のお仕事の話が後半。
前半は「窓辺」系の脚本を引き合いに出して、どのようにして駄目な脚本ができあがるのかという話がメイン。
間に、映画でどのように脚本が構成されているか、というテクニカルな話。
そんな構成。
p4
『窓辺』系の典型的なストーリーラインは、「人づきあいの苦手なOLが田舎に帰って自分探しをした結果、少しだけ元気になった(つもりで)東京に戻ってくる話」です。
なぜそのよう脚本が駄目なのか、という話だけじゃなくて、なぜそのような脚本を書くような人が問題(先生としての立場から見ての問題)なのか、という話があって面白い。
肩書きに「心理カウンセラー」とある著者が分析する、『窓辺』系のアマチュア脚本家の心理状態の解説など、脚本教室ではなくて自己啓発本かなにかかと見まがうほど。ただしそれは、よい脚本を書く、という目的に向かうための必要なステップとして提示されているのでぶれていない。
不思議な読後感の本であった。
2015-09-29 [長年日記]
■パインズ
記憶をなくした主人公、迷い込む見知らぬ土地、一見して温和な村人たち、やがて知る外に出ることができないという状況……。
と、まぁ、正直にいうとサスペンス的にはありがちなスタートで、オチにも特にひねりとか新味はない。
なので道中の展開の妙と、主人公に対して徐々に提示されていく「奇妙な点」を楽しむべき。
……と言いたいが、オチから考えていくと色々とおかしな点がある。そのおかしな点に対しての一応のいいわけ的なことも提示されているが、それじゃあ納得できないなぁ*1。
主人公の最後の選択こそが、一番怖いところなのかもしれない。
シャマラン監督の手でテレビシリーズ化されているのが、
で紹介されていて興味を持った。
テレビドラマは見るのがとてもしんどいので小説で読んだ次第。
確かに、ドラマにすると映えそうなお話であった。
*1 と偉そうに書いているけどちゃんと考えるとつじつまあってるのかもしれないと不安もある。
2015-09-24 [長年日記]
■Postgres.appとRubyとPythonと
OS X用のPostgreSQLを実行するアプリケーション、Postgres.appがあります。
Homebrewでインストールしたりするんじゃなくて、アプリケーションを実行したときだけPostgreSQLサービスが起動します。
Postgres.app – the easiest way to get started with PostgreSQL on the Mac
で、PythonやRubyから使う時のメモ。
export PATH=$PATH:/Applications/Postgres.app/Contents/Versions/9.4/bin/
をシェルのプロファイルに追加したりするなど。
Pythonは実行パスさえ通してあればOK。
pip install psycopg2
で済む。
RubyGems と bundle は……、
Gemfileに
source 'https://rubygems.org' gem 'pg'
と書いたあと、
bundle config build.pg --with-pg-config=/Applications/Postgres.app/Contents/Versions/9.4/bin/pg_config mkdir vendor ARCHFLAGS="-arch x86_64" bundle install --path vendor/bundle
でOKだった。
bundle config によって .bundle/config というファイルができている。
追記
Postgres.appの中身のバージョンは都度確認のこと。
2015-09-13 [長年日記]
■ザ・ストレイン
アメリカでドラマ化されてシーズン2がもうすぐ終わる、
の原作。
で紹介されていて、なんか面白そうなので読んだ。
吸血鬼もの。
オカルトに振らずに、SF側に振った設定。ウィルスや寄生虫といったギミックが、バイオハザードあたりから「ゾンビもの」のメイン・ストリームになってしまったの同様のことをやっている。
いるのだけど、一方で「鏡に映らない」とか「人に招かれない限り人の領域に入れない」とか「流れる水をわたれない」とかいった古めかしい特徴も残しているところが面白い。その理屈は続刊で何か判明するのかどうか。
ウィルスや寄生虫を取り入れているけど、その設定を取り込んで「吸血鬼もの」を構築する部分、お話を下支えする部分は手を抜いてないし、かなりの紙幅を割いて書いている。
おかげで展開が遅いと感じる部分部分もあるけど、じわりじわりと人間社会が冒されている様子をきっちり書き切っているってことでもあるので悪印象はない。
続刊も読むよ−。