過去の日記

2015-10-01 [長年日記]

スクリプトドクターの脚本教室・初級篇 [book]

スクリプトドクター、つまり脚本の『医師』のお仕事の話が後半。
前半は「窓辺」系の脚本を引き合いに出して、どのようにして駄目な脚本ができあがるのかという話がメイン。
間に、映画でどのように脚本が構成されているか、というテクニカルな話。
そんな構成。

スクリプトドクターの脚本教室・初級篇

  • 作者: 三宅 隆太
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売: 2015-06-25
  • ASIN: 4403120245
  • メディア: 単行本
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p4
『窓辺』系の典型的なストーリーラインは、「人づきあいの苦手なOLが田舎に帰って自分探しをした結果、少しだけ元気になった(つもりで)東京に戻ってくる話」です。

なぜそのよう脚本が駄目なのか、という話だけじゃなくて、なぜそのような脚本を書くような人が問題(先生としての立場から見ての問題)なのか、という話があって面白い。
肩書きに「心理カウンセラー」とある著者が分析する、『窓辺』系のアマチュア脚本家の心理状態の解説など、脚本教室ではなくて自己啓発本かなにかかと見まがうほど。ただしそれは、よい脚本を書く、という目的に向かうための必要なステップとして提示されているのでぶれていない。

不思議な読後感の本であった。