過去の日記

2008-06-13 [長年日記]

誰が格差社会の責任を取るのだろう [徒然]

ホッテントリメーカーからのお題


会社-労組-労働者(このエントリでは労組に入っている人たち、つまり正社員ね)が作る──幾何学的にも──強固な三角形。こいつを崩してやらないといけない。
問題なのは、それぞれがそれぞれの存在意義のために動いた結果として、格差社会が形成された*1こと。

労組は労働者の権利を守る。
会社は株主だったり、会社そのものを守る。
労働者(繰り返すがここでは正社員)は、安心して働ける環境という餌を与えられこの三角形を享受する。


その結果何が起きたかというと、実際の労働者として正社員を使わない・雇わない、という選択肢に会社が気がついてしまった、ということ。(「偽装請負」に詳しい。ちょっと正義感的なものが鼻につくけど)
労組は「今会社にいる社員を守る」という存在意義からそれを容認した。
労働者は長い間その構造に気がつかないで過ごしてきた。(慧眼の持ち主なら看破していたかもしれないが、それでもそれを容認していたなら一種の共犯者だし、あるいは会社に見切りをつけて辞めていっただろう)

この三角形を崩して格差社会を是正するとなれば、労組の存在意義そのものや、今までぬくぬくと過ごしてきた正社員も自分で自分の権利を守らなければならない時代が来る。
それがいやだから目を瞑ってきた、と。


労組や社員が何か行動を起こせばいいかというと、そうでもない。
「労働組合を後ろ盾にしてきた政治家」のセンセイ方がいるのだ。
いままで「労働者の味方」だったこの人たちにとっては、格差社会の問題には頭がいたいことだろう。
格差社会の是正はいずれ、労働者(また繰り返すがここでは正社員)の権利を切り崩さなければならない、という事態を起こす。多分これは避けられない。
それは困る。


「労働者の味方」が今や「格差社会の敵」となり、三角形からさらに強固な正四面体になった。
これを切り崩すのは……、誰だろう?


というようなことは、

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書)

  • 作者: 城 繁幸
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の後半を読むと透けて見えてきます。

(本の紹介だったのかよ!?)
(ホッテントリメーカーからのお題からそんな簡単にしっかりとした「自分の考え」がでてくるかー! だいたいこの件は 【秋葉原無差別殺傷】人間までカンバン方式 - 何かごにょごにょ言ってます という良エントリが先にあるし!)

トラックバックはエントリタイトルだけの方がいいのかな? [徒然][tech]

ホッテントリメーカーを見て思ったこと。
サイト名(prima materia - diary)が含まれちゃってるけど……。
うーん。これは設定だっけ? tb-send.rb の修正がいるんだっけ?

余計なことを! [news]

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オークファン、定価よりも高額売買された「書籍リスト」をβ提供開始 - japan.internet.com E-コマース


「せどり」を「ススメ」ている側は、こういう情報の提供の方面でお金が入ってくるようになる仕組み。

出される情報で買いに走るようではダメ。
こういう場で出てきた本は(本当に本当にの稀覯本を除けば)もう手を出してはいけない商品になったということ。
結局その情報の中から手を出してもいいものとそうでないものを見分ける目が必要になり、それがプロフェッショナルの「見えないものを見る」力につながる。
せどりで生き残りたければその目を養わなければならないのは今までと変わらん

それにしても、仕組みを作ったものが勝ち、なわけだよな〜。

*1 という見方もできる、というたくさんの視点の中の一つでしかないことに注意。