2014-10-27 [長年日記]
2014-10-17 [長年日記]
■狂える者の書
"一筋縄ではいかない"とは役者あとがきに書いてある言葉だけど、本当その通り。
3組の主人公。3つの世界。入り組む謎。
全ての世界は、どこか歪み、どこかが狂っている。
正気に見える人も、狂っているように見える人も、決して見た目の通りではない。
これぞタニス・リーの真骨頂、という感じの陰鬱とした物語。
2014-10-11 [長年日記]
■炎の聖少女
ヴェヌスと名付けられる前の「都」が舞台。
奴隷の少女
奇跡を宿す彼女を巡って、大司教ダニエリュスと評議会の確執(みたいなもの)を軸に話は進んでいく。
物語の《構造》は前巻とほとんど同じ。
なのに全然見え方が違う。
なんでかというと、主人公2人が、全く、能動的に動かないから。
話の展開は大司教ダニエリュスが引っ張っていて、前巻では錬金術師シャーキアンが存在感を見せつつも(物語で見えている範囲では)ほとんど受動的だったことと真逆。
それがよかったのかなぁ、と思った。
2014-10-09 [長年日記]
■記号創発ロボティクス
面白かった。一部は仕事とも関わりがあったり。
心とは何か、意識とは何か。
どのようになれば心を持ったと言えるのか、意識を持ったと言えるのか。
p43
記号創発ロボティクスの研究では、人間と会話し、その中で言葉を覚え、人間と同様の環境で柔軟に活動するようなロボットを創ることを目指す。なぜならな、それは、そのロボットが、そのまま人間の構成論的なモデルになっているからだ。そのようなロボット知能が完成したとき、そのロボットの設計図は人間の知能を理解する上で、大いに参考になるだろう。
クラスタリング、形態素解析、n-gramモデル、二重文節構造、マルチモーダル、敢えて曖昧に話すロボット。
面白かった。
2014-09-19 [長年日記]
■古書店主
相当に地味ではあるが、構成や文はしっかりしている。
ミステリィやサスペンスと呼ぶには及ばず、何かのジャンルではなくて、これはただ「小説」とだけ呼ぶべきか。
舞台はパリ。
主人公が、旧知の
大変な価値を持っていた本、古書のコレクターを父に持つ女性ジャーナリスト、今は前線を退いたCIA所属の元同僚、
なにもかもがあやふやな状況の下、話は進む。
飽きないが、けれど熱中というほどではなく、不思議なテンポの作品。