2014-09-12 [長年日記]
2014-09-09 [長年日記]
■水底の仮面
別世界のヴェネツィアを舞台にしたヴェヌスの秘録シリーズの1冊目。
パラディスの秘録と違って短〜中編じゃなかった。1冊で1編。でも2巻目以降も同じ登場人物なのか?
パラディスの秘録が約20年ぶりの訳本刊行でタニス・リー熱が出て読んでみた。流麗だけど、パラディスの秘録みたいな《雰囲気》は薄いような。
おそらくは短編じゃ駄目だったの? みたいな感覚。
死を呼ぶ仮面と、仮面のごとき相貌のエウリュディケ。
皆が仮面をつけ謝肉祭に浮かれるヴェヌスの街の裏。仮面ギルド。
エウリュディケに魅了され、陰謀に振り回される男、フリアンのお話。
2014-09-05 [長年日記]
■失われた探険家
表題作と「監視」あたりがよかった。あと「天使」は、ジョン・カーペンターの「世界の終わり」(Cigarette Burns)あたりの雰囲気もある……ような。ストーリーは全然違う。
表題作は完全に予想を裏切られた。
このタイトルで舞台がロンドン、ある家の庭、主役は少女。だとは。
そういえば表紙はたしかにそうだなぁ。
庭に突然現れた病身の探検家。
なぜか、だれなのか、は結局語られず。
やがて、彼は死に至り、少女はただ庭に埋葬する。
ストーリーではなくて文章の力で読ませるタイプ。それにしても見事。
「監視」。
主人公——「信頼できない語り手」——が監視していたのははたして誰だったのか? なぜ鍵を気にするのか?
最後の段落で"ああやっぱり"と思わされ、最後の文節で"やられた"と思わされた。
2014-09-03 [長年日記]
■死せる者の書 パラディスの秘録
パラディスの秘録3冊目。前の刊行からなんと20年ぶり。
さすがに買って読むか逡巡したけど、やっぱり買った。
20年前に読むより、今の方が面白いと思えるんじゃないかなぁ。
「硝子の短剣」がよかった。
「大理石の網目」もいいのだけど、最初に結末がばれている構成が生きているとは思えなかった。
角川ホラー文庫からでた全2冊、実家に置いてあるかなぁ。