2009-04-28 [長年日記]
■老ヴォールの惑星
「漂った男」はSFかしら。
「漂った男」の最後の急展開は実に面白い。
作中のいくつかの台詞も、朴訥だが味わいがある、といったたぐいのもので好感が持てる。
作品舞台の中で、主人公側の環境にはまったく変化がない。
変化があるのは常にUフォンの向こう側である。それに応じて主人公側にも変化が起きる。
そのように、ていねいにていねいに畳むようにストーリーを構成している。その手腕はさすがだ。
シチュエーションコメディ的な展開っぽくはある。映像化しようとするとどのようになるか想像してみるといい。
しかし、この作品はシチュエーションコメディの、ある意味で対極ではないかと、そんなことをぼんやりと思った。