2009-04-22 [長年日記]
■天涯の砦
一気読みしてしまった。
少人数極限状態閉鎖環境もの。
しかも宇宙。
高軌道宇宙ステーションでの大規模な事故。
その衝撃で1つの宇宙船搭乗区画気密が分離し漂流し始める。
そこに事故後の短い時間で大多数が命を落とし、生き残ったのは10名の人間と1匹の犬だけ。
それも、狭い空間内に取り残されたから助かったようなもので、それぞれがバラバラの情況から始まる。
空気ダクトを介しての声だけの連携。
徐々に情況が明らかになる。
活動可能な範囲もそれに応じて広がっていく。
生き残った者の物理的な邂逅。あるいは闘い。
宇宙という舞台描写は細緻を極めている。
舞台となる軌道ステーション(
軌道ステーションや、1日1便という頻度の月との定期便。それが十分可能になるだろうな、と想像させる数々の科学技術の描写。
けれどそれはあくまでも舞台に過ぎない。物語は、人物と情況で進行する。あたりまえの話ではあるけれど。