2015-12-25 [長年日記]
■屍者の帝国/テスタメント・シュピーゲル
書影がーーー。
最初の方の表紙の版を売っているところをわざわざ探して購入するなど。
伊藤計劃っぽい話のような、伊藤計劃っぽくない雰囲気なような。
もちろん「伊藤計劃らしい」というのを問うのは意味がないのだけど。
結局、魂とは何か、ということは曖昧にしたまま終わったなぁ。
作中人物が言うとおり、それがなんであれ関係ない、ってことなのか。
オマージュアンソロジーを先に読んでいても問題なかった。というか感覚としてはむしろそれでよかった。
並行して。
2015-12-18 [長年日記]
2015-12-08 [長年日記]
■伊藤計劃トリビュート
印象が強く残っている最後の3作品が特にいいと感じたが、正直収録順しだいだったのでは、と思えるぐらいどれも素晴らしい。圧巻。
ノット・ワンダフル・ワールズは、誰も全体を把握できないぐらい巨大化したコングロマリット、というネタと必然のオチ。
フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪が、一つの作品としてのやりきった感が高い。中短編の収まりの悪さがない。
怠惰の大罪は長編の1章らしいが、描写と展開はすごいの一言。SFっぽさがほとんどないけどここからどうなるのか。
2015-12-06 [長年日記]
■Scratchの"画面を再描画せずに実行する"がけっこう速いのこと
この記事は、Scratch Advent Calendar 2015 6日目の記事です。
内容はタイトルのまんま、Scratch2.0から追加になったカスタムブロックのオプション"画面を再描画せずに実行する"がなかなかの速さなことに気がついた、という話です。
"画面を再描画せずに実行する"ブロックはScratch2.0のここにあります。
"ブロックを作る"ボタンを押すと設定するためのポップアップが出てきます。
作りたいブロックの名前を入れて(ここでは"描画する"って入れてます。矛盾してますね。その理由はあとで)、"画面を再描画せずに実行する"にチェックを入れてください。
こうやって作ったカスタムブロックは、その実行中に画面が書きかわりません。
ブロックの中でスプライトを移動したりしても、移動の途中経過が全然見えないのです。
じゃあそれはなんに使うの? っていうことになりますね。
カスタムブロックと普通のブロックを比べられるようなプロジェクトを作ってみました。
左のボタンは"このスプライトがクリックされたとき"のブロックに続けて処理を書いています。
右のボタンは"画面を再描画せずに実行する"カスタムブロックに処理を書いて、"このスプライトがクリックされたとき"のブロックでそのカスタムブロックを呼び出しています。
https://scratch.mit.edu/projects/90295109/
どうでしょう?
それぞれ、ペンとスタンプとクローンの機能を使ってたくさんの書き換えをおこなっています。
でも、スピードが全然違いますよね。
つまり、たくさん画面を書きかえる処理をまとめて実行するのに、その途中経過を表示しないことが速度的に役立つんです。だから、"画面を再描画せずに実行する"ブロックなのに"描画する"って名前をつけたわけです。
"画面を再描画せずに実行する"カスタムブロックのスピードがあると、こんなこともできます。
ステージの描画以外にも変数を変化させた時の値の描画が省かれますから、変数を表示させたいけど一部分だけ重い計算があってその計算だけカスタムブロックにする、という使い方もありそうです。
最後に、このカスタムブロックを活用したプロジェクトをリンクしておきます。
まずは、拙作の迷路生成プログラムです。
Maze Generator
https://scratch.mit.edu/projects/83327886/
初期状態だと29×21個の"壁ブロック"を描いています。一つの"壁ブロック"を描くのに4本の線をペンを使って描いているので、一回の描画で2,436本の線を描いています。
迷路の生成が一つ進むたびに画面を全部再描画しています。
迷路を生成したら、解きたくなりますね。
Maze Solver
壁/ゴール/探索済みの経路/探索中の経路/とその末端 を色を変えるだけで表現しています。描画しているブロックはほとんど Maze Generator と同じです。
CoderDojo 仙台と仙台泉のメンターなどをしていますけど、Scratchでこんなにまじめにプログラム書いたのは初めてでした。
最後に、このカスタムブロックの使い方を知った元になったプロジェクトを紹介します。
Game of Life
https://scratch.mit.edu/projects/28841238/
コンウェイのライフ・ゲームですね。
このプロジェクトを見たのが始まりでした。楽しい時間をありがとうございました。
では、Enjoy Programming!!
2015-12-01 [長年日記]
■ヨハネスブルグの天使たち
SF的ガジェットはしっかり入っているのに、現実との地続き感が感じられるのが重苦しい感じ。
でもそこが面白いところか。
"歌うロボット"DX9がビルから飛び降りる、というのが共通するモチーフの、連作短編。
そのモチーフが一種荒唐無稽。それでも連作短編を構築するという力量。
圧倒的だった。