2011-07-28 [長年日記]
■クローバーフィールド見た
映画の形式自体を許容できるかどうか、という第一のハードルがきつかった。
騒動に巻き込まれた人間が回していたハンディカメラのテープ、という設定。
ハンディカメラを回している、という状況の説得力を増すため、パーティの場面から始まる。その最中に予測不能の事態が進行する、という趣向。
人間関係の説明にもなっているし、悪くはないのだけど、どうにもそのあたりが肌に合わなかった。
予測不能の事態というのは、巨大怪獣の出現で、それによるパニックもの映画である。怪獣を見せなければ手法的には「大怪獣東京に現る」に近いのではないか。
怪獣については、最初窓からの眺めとしてちらっと映る。
そのあとテレビからの報道映像として。
次に接近遭遇、という風に段階的。
怪獣の説明は一切ない。状況に巻き込まれた一般人からの視点を貫いているから。
で、けっきょくのところ怪獣こそ出てくるが、これはディザスタームービーのフォーマットであろう。
東日本大震災の後とあっては、このフォーマット自体、正直見るのがつらいところもある。
パニックの初期、ニュースを聞いて家電販店に押し入る人々の様子が映り、あぁこういうのを見ているから……とか思ったり。