過去の日記

2014-09-05 [長年日記]

失われた探険家 [novel]

表題作と「監視」あたりがよかった。あと「天使」は、ジョン・カーペンターの「世界の終わり」(Cigarette Burns)あたりの雰囲気もある……ような。ストーリーは全然違う。

失われた探険家 (奇想コレクション)

  • 作者: パトリック マグラア
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売: 2007-05-01
  • ASIN: 4309621988
  • メディア: 単行本
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表題作は完全に予想を裏切られた。
このタイトルで舞台がロンドン、ある家の庭、主役は少女。だとは。
そういえば表紙はたしかにそうだなぁ。

庭に突然現れた病身の探検家。
なぜか、だれなのか、は結局語られず。
やがて、彼は死に至り、少女はただ庭に埋葬する。

ストーリーではなくて文章の力で読ませるタイプ。それにしても見事。


「監視」。
主人公——「信頼できない語り手」——が監視していたのははたして誰だったのか? なぜ鍵を気にするのか?

最後の段落で"ああやっぱり"と思わされ、最後の文節で"やられた"と思わされた。