2013-03-04 [長年日記]
■不思議の扉 時をかける恋
読んだ。
時間ものがロマンティックな雰囲気をまとうのは、「死」がその近くにあるからなんだな、と感じた一冊。
100年前の人物と交信する時、今、その人物はほぼ間違いなく死んでいる。
言葉は通じても、決して会えない。
そこに横たわるのは《時間の壁》ではなくて《死の壁》なのだろう。
だから切ない。
あるいは、姿が見えていたとしても、その相手に何を願っても決して言葉を交わすことも叶わない。「美亜へ贈る真珠」が読みたくて手に取ってみたが、良作ばかり。