2013-01-16 [長年日記]
■ひとり百物語
第二十四夜 地震博物館
「ここは数百人の子供が一気に押しつぶされて、亡くなった場所、学校跡です。遺体は発見されていません」
(略)
「そう、掘り出そうとしたら建物が崩壊して危険だから。ここには多くの遺体がそのままになっているんだ。とても写真なんて撮る気になれないよ。地震のあった年は、ずうっと異臭が漂っていたそうだよ。でも、もう臭いはない。みんな骨になったから」
他のエピソードの、どんな怪異よりも、この部分が一番ゾッとした。
もっとも、事実かどうかは判断できない。しかしこれは百物語。他のエピソードだって、事実かどうかは、判断できない……。