過去の日記

2011-11-02 [長年日記]

28週後を観た [movie]

ちょっと前の話になるが、28週後を観た。

28週後... (特別編) [DVD]

  • 監督: ファン・カルロス・フレスナディージョ
  • 出演: ロバート・カーライル,ローズ・バーン,ジェレミー・レナー,マッキントッシュ・マグルトン
  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • ASIN: B00165SDW0
  • 発売: 2008-06-06
  • amazon.co.jp詳細へ

28週後… [Blu-ray]

  • 監督: ファン・カルロス・フレスナディージョ
  • 出演: ロバート・カーライル,ローズ・バーン,ジェレミー・レナー,マッキントッシュ・マグルトン,イモジェン・プーツ
  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • ASIN: B003QUCXPQ
  • 発売: 2010-08-04
  • amazon.co.jp詳細へ

とても面白く観たのだけど、それはどうしてかというと、これって『悲劇』だよな、という感想からである。


悲劇というのは、結末がハッピーエンドかアンハッピーエンドかといったレベルでのカテゴライズではなくて、

登場人物に誰一人として悪意を持って行動する者がいなく、全員がよかれと思って行動しているにも関わらず、状況が悪い方へ悪い方へと転がっていってしまう

タイプの話のこと。


ホラーでのステロタイプ的「小心者ゆえに愚かな行動を取ってしまう」人物こそいるものの、端役であって、ちょっと目立ってしまったエキストラという感じ(失礼な)。

この作品の主な登場人物はみな「よい人」で、良心とか、職業的使命感とか、家族愛とか、伴侶への愛とか、それぞれの規範にかけてよかれと思った行動を取る。
もちろん映画の外からメタ的に観ている分には、短慮で愚かとしか思えない行動もある。そもそも発端となるのが、子どもが起こす子どもらしい行動だったりする(ただそれさえも家族や故郷への愛を動機として見せているのだが)。
そうはいっても、悪人だったり、エゴイスティックだったり、屈折していたりといった、感情移入しがたい人物は一人もいない。

言葉を換えれば、自分の周りにいたら嫌だなという感じの人物が(主要登場人物の中には)いない。
しかし、それにもかかわらず、事態は悪い方へ悪い方へと転がり続ける。
それこそが「ホラー」なんじゃないか、と言うこともできるのだけど……。


ホラー映画的な描写や設定でありながらドラマ的には『悲劇』という印象を受けるこの作品、結構気に入ったのであった。