2009-11-28 [長年日記]
■パラドクスブルー2
口絵部分。
「ゲームはいいよな。失敗してもリセットでやり直せるのだから」
「まあ失敗しても再挑戦してクリアする。ゲームの醍醐味ではあるな」
「でもあれってさ、ゲーム側のキャラからみればどういう感覚なのだろう」
「というと?」
「失敗したことはなかったことになり、成功した事実のみが残る。
失われたものは思い起こされることはなく、ただひたすら成功した世界が続いていく。
……それはきっと、少しだけ歪な世界」
これを読んで、ゲームの
失敗してパーティが全滅すると、その少し前(というと曖昧だが、しかしこれの意味するところは「セーブした地点」であるのは読めば明らかである)に戻される。
その事実を「主人公だけが記憶にとどめている」というもの。
うっかり強力なボスモンスターの手前でセーブしてしまい、進むも引くも困難な状況になったりして、味方が幾度となく死ぬ状況に居合わせなければならないという苦痛。
加えて、直後に出会う困難についてパーティの他の誰も認識していない、という状況にも。
とても面白かったのを覚えている。まぁ、未完というか、断章による「おまけ」みたいなものだったのだけれど。