2016-07-02 [長年日記]
■夏の涯ての島
SF的なガジェットよりも、小さな描写の積み重ねの妙が心を打つ。
「チョップ・ガール」と「ドレイクの方程式に新しい光を」がとてもよい。前者はスーパー・ナチュラルかただの思い込みか、その境界ギリギリの線が隠し味で、なんとも叙情的な雰囲気。後者も人体改変みたないガジェットが実のところ一切ストーリーとは関係なく、ヒロインの人格・性格の細やかな描写のために費やされているのが興味深い。
表題作「夏の涯ての島」も歴史改変ものでありながらやっぱりその中に生きる人たちの方に目線があってすごくよい。
■世界が終わる前に BISビブリオバトル部
メイン・ストーリーは終わってみれば怖い話だったなぁ。最後のオチでぞっとした。
新井素子「ひとめあなたに」に対する空の感想が、完全に高校生時代の私の感想と同じですごく親近感。
そのあたりを持ち出しているのが、伏線なのかな。