2011-05-09 [長年日記]
■皮肉じゃなくて
これはいい質問だと思いますよ。
素朴ではあるけれど、ちゃんと分かる様に伝えようとすると、考えちゃいますね。
掛け算は交換法則を満たし割り算は交換法則を満たさないのであれば
掛け算と割り算は違うものであり、掛け算を割り算にしたり、割り算を掛け算にしてはいけないということになりませんか?
掛け算と割り算が同じものであるならば、掛け算は交換法則を満たしていないということでは?
http://q.hatena.ne.jp/1304857863
(ここで引用した部分より下はどうでもいいです)
ということで色々と考えて書いてみたけれど、どうだったろうか。
回答の中で、
「ある演算が交換法則を満たしていたら、逆演算も交換法則を満たすはず」というのがただの勘違いなので、
とか断言しちゃってるけど本当だろうか。
自分の理解が浅いだけなのでは? という心配は残るが、まぁいいや。
■メタ数学explorer
追記 2011/05/12
このページで説明されている公理系は、一般的なZF(C)公理系じゃなくて、別の公理系みたいです。でも、説明には「ZFCを出発点にして数学を構築する」という文章もあるし、ちょっとまだちゃんと読めていないかも。
追記終わり
公理的集合論からどうやって数学が構成されるかを網羅的に収集したサイトを見つけた。
スゴイ! と思った。
がそれだ!
右上の Theorem List というリンクを開いてみる。
ページ全体からすると"上の方"に、Real and complex numbersというカテゴリがある。
そのちょっと下に Multiplication とある。ここに実数と複素数の掛け算に関する定理が並んでいる。
一番上、Identity law for multiplication. が、1が単位元となることの証明で、それは表の左から2番目、mulid2 5662 と書いてある部分のリンクから見られる。
1の定義とか、掛け算(・)の定義などはこのページの Syntax hints という部分から見られる。右側に登場している記号と、その説明へのリンクがある。記号の説明に飛んで、そこから See definition の部分のリンクをたどると定義が出てくる。
例えば実数、複素数の掛け算の定義はこれ→ ( Define multiplication over complex numbers. ) になる。
ちょっと戻って、実数の掛け算に関する定理が並んでいるところの一つ下、Commutative/associative law for multiplication. の部分が交換・結合規則になる。また左側の mul12 というリンクから進む。
表の Step1 が交換法則なので、Ref 列の mulcom というリンクをたどる。これが交換法則の証明となる定理、定義、公理の羅列連鎖の記述である!
……と思う、としか言えないけど。
こんなん読めるか〜!!
でも、それでもなお、このサイトにはすごく感動した。