2011-02-03 [長年日記]
■ゾンゲリア
面白い!
タイトルでスプラッターかスラッシャーかと思ってしまうがさにあらず。格調さえ感じるほどの、むしろゴシックホラーかという雰囲気。(私には違いをちゃんと説明できないが、モダンホラーの範疇ではあるらしい)
もちろんゴア描写が無いわけはないが、被害者側の特殊メイクなんかよりも、今まさに殺されようとしている人間の周りで"
しかしこの映画、「包帯でぐるぐる巻きにされて身動きできない人物の目先に注射(針)を突きつけている美人ナース」という超有名なスチールがある。ジャケットにも当然のように掲載されていて、それが怖くて借りられなかったという経験あり。実際に見たら"さくっ"としたもので全然問題ない。やっばりスチールを見てる方がよっぽど怖い。(あ、前の段落と同じ結びだ)
最大の功績は(「エイリアン」で大成功した直後の)ダン・オバノンと、ロナルド・シャセットのコンビの手による脚本。ゾンビものというよりは、むしろヴードゥー・ゾンビーものに近いかもしれないし、あるいは、ラヴクラフトのエッセンスすらも感じられる(オバノンがラヴクラフトやディックに傾倒していた、とする本もある。IMDbなんかもあたってみたがそういった記述は見つからず。ところで、IMDbのエントリはなんでZongeriaなんだろ? これって邦題のはずなのに)。
ゴシックホラー風の静かな描写、ペシミスティックな結末。面白かった。